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セイドレイ【完結】
第31章 少女の肖像
「新堂…貴様っ………」

「どうした?雅彦。えらく気が立っているようだが。八つ当たりなら他でやってくれよ。…あぁ、その八つ当たりの道具が今は欠品中だったか?こりゃあ失礼。早く戻ってくるといいねぇ。壊れてなきゃいいけど。くくく…」

「…おい貴様。そのくらいにしておけよ」

「ほーう?いやいや、まさかお前としたことが使い捨ての玩具に愛着でも沸いたか?たかだかこんな小娘の一人や二人、居なくなったところで何をそんなに嘆く必要がある?」

「……いい加減にしろっっ!!」

新堂の挑発に雅彦は激昴し、その胸ぐらに掴みかかる。

「お、親父…!落ち着けって!!さっきから何をそんなにっ…」

慌てて慎二が仲裁に入るも、雅彦の怒りは収まる気配がない。

「新堂…!貴様、何か知ってるんだろう?!ワシに今すぐそれを教えろっ!さもなくばっ……」

「……さもなくば…何だ?私を殴るか?あ?殺すのか?まさか、自分のしてきた罪は全て棚に上げて、お前は他人を断罪するのか?浅ましいにも程があるぞ。それとも今更、自分だけ薄っぺらい正義でも気取るつもりか?あの女のために、地位も名誉も富も何もかも放り出して、豚箱にでも入るつもりか?それで何か許されるとでも?ん?それがあの女のためだと思っているなら大間違いだ。お前は自分が楽になりたいだけだ。自分の罪から逃れたいだけなんだよ。血迷うのは勝手にしろ。だがな、やるならお前一人でやれ。私を巻き込むつもりなら、私は全力でお前を叩き潰す」

「ぐっ………!」

雅彦の手が、新堂の胸ぐらから解かれる。

その胸の内を全て新堂に見透かされていたようだ。

この時雅彦は、全てを捨てて警察に自首する覚悟でいた。
息子二人の罪も自分が背負うつもりだった。
そして亜美を一刻も早く、囚われの身から解放させる。
それは、今亜美を監禁している犯人からも、そして、雅彦自分自身の手からもーー。

もちろんそれで自分の犯した罪が消える訳でも、許される訳でも無いことは承知の上だった。

しかし当然の如く、それを新堂が許すはずも無かった。

「…いいか雅彦。少し頭を冷やせ。その覚悟があるのなら、もう失うものは何も無いだろう?罪の償い方は何も一つとは限らん。ふっ…どのみち、お前は私を避けては通れん。私が何を知っていようがいまいがな。そのことだけは忘れるな」
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