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セイドレイ【完結】
第32章 漂泊
本山は亜美の上体を起こすと、肩にそっとバスタオルをかけた。
亜美の艶やかな黒髪からは似つかわしく無い、ツンと鼻を刺すアンモニア臭が漂って来るが、田中のアパートに戻るまで入浴は禁じられている。
「…起きれるか?とりあえず髪だけ洗面台で洗い流してこい。キッチンにココア淹れてあるから、それ飲んで待ってろ」
「は…い………」
亜美は壁づたいによろめきながら、トイレから出て行った。
「さーてと………はぁ~…ったくよぉ何が哀しくておっさんの小便まみれの便所掃除してるんだ俺は……」
文句を言いながら本山がトイレ掃除に精を出す。
亜美を抱ける役得があるとは言え、教師として一日仕事をした後に亜美の送迎に加え、プレイ中の監視やその他雑用までさせられるとなると、中々のハードワークだ。
この『副業』を始めてから、平日でも帰宅が0時を回ることが多い。
そもそも既婚者である本山は、もちろんこんな性的ビジネスに関与しているなどと家族に言えるはずもなく、妻と子供にはあくまで本職である教師の仕事が忙しいということにしてある。
救いなのは、それについては学園理事である新堂が直々に、本山の妻に了承を得てくれたことだったが…それでも、家庭内ではより一層肩身の狭い思いをすることになった。
それでも、亜美との接触を禁じられていた期間の、あのどうしようも無いカラダの疼きを思えば、ジャージ姿で掃除するのもすっかり板についてきたというところか。
「ふーぅ……こりゃ転職するならラブホの清掃員だな…」
亜美は髪を洗い流すと、本山が淹れてくれたココアに口をつける。
犯され放置されて冷え切ったカラダが温まって行くのを感じる。
後は、本山の掃除が終わるのを待って、田中のアパートに帰るだけ。
今日は客が一人だったこともあり、まだ比較的楽な方だった。
田中のアパートへ戻ったら本山と田中の相手をして、入浴をしたら後は眠るだけ。
ただ二つの拠点を行き来するだけの毎日。
もう半月以上、亜美は衣服さえまともに身に着ける日が無いのだ。
こんな日々が一体いつまで続くのだろう。
田中の献身的なまでの身の回りの世話により武田家に居た時よりも日中は若干過ごしやすさを感じるものの、外部との交流を一切絶たれた今は精神的な負担が大きい。
武田家で雅彦達と暮らしていた日々を、まさか懐かしく思う日が来るとは。
亜美の艶やかな黒髪からは似つかわしく無い、ツンと鼻を刺すアンモニア臭が漂って来るが、田中のアパートに戻るまで入浴は禁じられている。
「…起きれるか?とりあえず髪だけ洗面台で洗い流してこい。キッチンにココア淹れてあるから、それ飲んで待ってろ」
「は…い………」
亜美は壁づたいによろめきながら、トイレから出て行った。
「さーてと………はぁ~…ったくよぉ何が哀しくておっさんの小便まみれの便所掃除してるんだ俺は……」
文句を言いながら本山がトイレ掃除に精を出す。
亜美を抱ける役得があるとは言え、教師として一日仕事をした後に亜美の送迎に加え、プレイ中の監視やその他雑用までさせられるとなると、中々のハードワークだ。
この『副業』を始めてから、平日でも帰宅が0時を回ることが多い。
そもそも既婚者である本山は、もちろんこんな性的ビジネスに関与しているなどと家族に言えるはずもなく、妻と子供にはあくまで本職である教師の仕事が忙しいということにしてある。
救いなのは、それについては学園理事である新堂が直々に、本山の妻に了承を得てくれたことだったが…それでも、家庭内ではより一層肩身の狭い思いをすることになった。
それでも、亜美との接触を禁じられていた期間の、あのどうしようも無いカラダの疼きを思えば、ジャージ姿で掃除するのもすっかり板についてきたというところか。
「ふーぅ……こりゃ転職するならラブホの清掃員だな…」
亜美は髪を洗い流すと、本山が淹れてくれたココアに口をつける。
犯され放置されて冷え切ったカラダが温まって行くのを感じる。
後は、本山の掃除が終わるのを待って、田中のアパートに帰るだけ。
今日は客が一人だったこともあり、まだ比較的楽な方だった。
田中のアパートへ戻ったら本山と田中の相手をして、入浴をしたら後は眠るだけ。
ただ二つの拠点を行き来するだけの毎日。
もう半月以上、亜美は衣服さえまともに身に着ける日が無いのだ。
こんな日々が一体いつまで続くのだろう。
田中の献身的なまでの身の回りの世話により武田家に居た時よりも日中は若干過ごしやすさを感じるものの、外部との交流を一切絶たれた今は精神的な負担が大きい。
武田家で雅彦達と暮らしていた日々を、まさか懐かしく思う日が来るとは。