この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第6章 破瓜

「…構わん。あいつが居ても飯が不味くなるだけだ。3人で始めようじゃないか」

「でも…いいんですか?私が呼んできましょうか…?」

「いーよ。あいつのことは気にしないで。呼んでも多分来ないからさ」


(そう…なんだ……)


慎二抜きで食卓を囲む3人。
最初こそぎこちなかったものの、次第に会話が弾んできたころ──。

「さて、そろそろ…」

雅彦は席を立ち、冷蔵庫にから買ってきたワインを取り出す。

「あ、私…おつぎしましょうか?」

「そんな気を遣わなくていい。今日は君が主役なんだから。座っていなさい」

「あ、はい…」

亜美のワイングラスに、シャンメリーが注がれる。


(わぁ…なんかオシャレ……)


「ではあらためて。今夜は亜美という家族が増えた記念すべき日だ。これからはワシらになんでも頼ってくれ。ただ喪中だから、乾杯はやめような」

場を仕切る雅彦の言葉に少し肩をすくめて、亜美はグラスを持った。

『…いただきます!』




(あれ…?なんかおかしい…急に眠気が…──)

亜美は突如、急激な眠気に襲われる。

「お?…そろそろ効いてき……────」

雅彦が何か言ってるが、亜美はその言葉を聞き終える前にテーブルに伏せるようにして、意識を失った──。


(あれ…?ここはどこ?私…なにしてたんだっけ…?)


『亜美、亜美~…──』

どこかから、自分を呼ぶ声がする。


(ママ…?)


遠くに、死んだはずの母がいる。


(やっぱりママだっ…!亜美だよ!ここにいるよ!)


しかし、亜美の声は母に届かない。


(ママ…誰と話して…──)


そこには、大きいお腹を抱えた母の姿があった。


(うそ…!なんでママ赤ちゃんいる…の…?)


腹の子をさすりながら、母は続ける。

『亜美、って名前にしようと思ってるの。いい名前でしょ?きっと素敵な女の子になるわ。亜美、私の亜美…──』


(あれは…私…?)


その時、母と目が合う。


(ママ!やっと気付いてくれた!亜美だよ!)


しかし、母は亜美の顔を見た途端、なぜか今まで見たことのないような哀しげな表情をする。


(ママ…?どうしてそんな顔するの…?)


母は亜美から目を逸らすと、そのまま吸い込まれるように光の中へ消えていく────。


(ママ…!待って!行かないでっ……────)

/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ