この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第35章 空蝉
賛否両論の声がありながらも、亜美の動画はまたしても軒並み上位にランクインされていった。

そして武田家の男達3人は、その動画を通してしか亜美の近影を伺い知ることができなくなっていた。

かつては、自分らの好きな時に、好きなように弄ぶことのできた玩具。
それが今は、他人に弄ばれているところを、金を払って動画で見ることしかできないのだ。

当然、良い気はしない。
それどころか、怒りと悔しさが込み上げてくる。

動画の中の亜美は、美しい見た目はそのままに、相変わらず男達の欲望をその全身で受け止めていた。

男達の顔には徹底的にモザイク処理が施されていたが、体型などからあれらは会員だろうことが容易に想像できた。

つまり、今もどこかで、あのビジネスは続いている。
武田家の地下室から場所を変えても尚、亜美は自分を金で買った会員達に仕えているのだ。

だとすれば、亜美を拉致監禁したのは新堂の仕業であることも、もはや明白だった。

そして、何故新堂がそんなことを企てたのかも、雅彦には大方予想がついていた。

雅彦がこのビジネスから足を洗い、亜美を地下室から解放しようとしたこと。
そして、亜美に避妊を施し、妊娠を偽装したこと。

妊娠偽装については、新堂にはっきりとその証拠を掴まれた訳では無い。
しかし、一向に懐妊しない亜美の様子や、流産の処置を事後報告したことなど、新堂から見て疑わしいことが散見されたのだろう。

最も、このビジネスから足を洗いたいと言った時点で怪しまれていたに違いない。

新堂を欺くことなど不可能だったのだ。
それを一番よく分かっていながら、雅彦は自分の気持ちを優先した。そこに関しては不思議と後悔は無い。
しかしそのことが亜美にとって良かったことなのか、今となってはもう分からない。
結果として、亜美は雅彦の手から離れ、今日もどこかで陵辱の限りを尽くされているのだから。

亜美にしてきたことの愚かさ、罪の重さを雅彦は十分理解しているつもりだった。
きっと今でも、恨まれているだろうことも。

だが、雅彦と亜美は、他とは違う複雑な感情で結ばれていたことは確かだった。
いや、雅彦がそう信じたいだけかもしれない。


許されるならば、もう一度亜美に会いたい。


この約2ヶ月を、雅彦はそんな思いで過ごしてきたのだった。
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ