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セイドレイ【完結】
第36章 審判
「…へぇ?亜美。ついに孕んじゃったねぇ?おじさん達のデタラメなザーメンでついに赤ちゃんできちゃったねぇ??やっぱり犯されながら感じてたってことか!この雌豚がっ!」

口を犯している会員が、全く根拠の無い侮蔑を亜美にぶつける。
しかし、今の亜美はそんな迷信でさえ真に受けてしまう程に、汚されて堕落していく官能に囚われていた。

(そっか…犯されて妊娠するような女は…やっぱり普通じゃないんだ……)



3日前、新堂の命令により田中が妊娠検査薬を使用して、亜美の妊娠が発覚した。

亜美にとっては二度目の妊娠となる。
雅彦に生理周期を管理されていた頃とは違い、今が第何週目なのかも定かでは無い。
そもそも亜美にとっては、今日が自分の誕生日であることさえ当日まで分からなかったのだ。

囚われの身となってからは、季節や曜日の感覚が無い毎日を過ごしていた。
陽が沈むと共に男に抱かれ、陽が昇れば泥のように眠る。
それが亜美の生活だった。

妊娠が分かった時、不思議と一度目のようなショックは無かった。
あの時は泣き叫んで家を飛び出したりもしたが、それがいやに懐かしい。

どちらかと言うと、安堵に近いような感覚だった。

それは、もうこれ以上失うものは無いのだという、堕落の末にたどり着いた解放だった。

最愛の両親を事故で奪われ。
雅彦に処女を奪われ。
恋人を運命に奪われた。

そして、ついに誰が父親かすら分からない子を孕んだ。

もう何も残っていない。
たとえ失いたくても、差し出せるものすら無いのだ。

ただそこにあるのは、肉欲に支配され、汚れ切った自身の肉体だけだった。

これでいい。
亜美はそう思った。
これでもう何もかも忘れてしまえる。

何もかも忘れて、ただ男達にまたがる肉塊になってしまえるーー。

腹の子を新堂がどうするつもりかは分からない。
しかしそれすら、もうどうでも良かった。

少なくとも、この瞬間は。
男達の慰みものになっている間だけは、全てを忘れて快楽に耽っていられる。


(これが私の…望んだこと…?)


口を犯していた肉棒が爆ぜる。
ドクドクと脈を打ち、生臭いザーメンが口いっぱいに広がっていくのを感じると、カラダの奥がじんと熱くなる。

男の股ぐらに顔を埋め、射精が続く間、亜美はその精製元である2つの睾丸を、愛でるように優しく手で揉み包む。
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