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セイドレイ【完結】
第38章 最後の晩餐
「……ちょっと、色々話したら喉が乾いちゃいました。すいません、お水いただいても…いいですか?」

これまでの経緯を話し終えた亜美は、遠慮がちにそう言った。

「お、おう…すぐ持ってくるわ…!」

健一が地下室の隅にある冷蔵庫へ、ミネラルウォーターを取りに行く。
亜美はそれを手渡されると、口の中を湿らす程度にほんの少しだけ水を口に含んだ。


雅彦達3人は亜美の話を聞いているうちに、頭の中で点と点が繋がり、やがて一本の線になっていく感覚を覚えていた。

新堂の策略と、様々な偶然が重なり、今こうして亜美は身重のカラダとなって、再び雅彦達の前に現れたのだ。

話をしている間も、亜美はしきりにその膨らんだ腹をさすっていた。
初めて妊娠が発覚した時の取り乱し方を思えば、その様子はまるで別人のようだった。

「…一応、これが昨夜までの話です。そして……」

亜美はそう言うと、着ているシャツのボタンをおもむろに外しはじめた。

「あ、亜美っ…?お前何をやってっ…」

雅彦が驚いてそう言っているそばから、亜美は身につけていた衣服を脱ぎ去り、全裸になった。

相も変わらず、シャツの下にはブラジャーはおろか、ショーツさえ身につけていない。

さらに大きさを増した二つの乳房の先端には、妊娠によるものだろう、以前よりひと回りほど大きくなった乳輪が、綺麗なピンク色から少し黒ずんだ色へと変化していた。

そしてそこから視線を少し下にやれば、ぽっこりと膨らんだ腹が嫌でも目に入ってくる。

どこの誰のかも分からない子種によって孕ませられた命が、その腹の中に確かに宿っているのだ。

こんな状況にも関わらず、雅彦達3人の股間は即座に反応を示していた。
久々に生身の亜美を見たからだろうか、それとも、他人に種付けされた事実をまじまじと見せつけられた悔しさからだろうか。

性(サガ)とは、しょうもないものだ。
亜美を失ったこの数ヶ月の間、雅彦達3人は各々、それなりに亜美に対して罪悪感を抱いていたはずだった。

しかし今はどうだろう。
いざ目の前に再び現れた亜美に対して抱く感情は、罪の意識や憐れみ以上に、またしても肉欲に支配されたものだった。

「……お義父さま。健一さん。慎二さん。……ただいま」
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