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セイドレイ【完結】
第7章 絶望的観測

ビュルビュルと口内にあふれるザーメンを、亜美は器用に舌で絡めとり、喉へと送り込んでいく。
こうすることで、むせ返さずに済むことを学んでいたのだ。

健一が雅彦や慎二と決定的に違うこと──。
それは精液の量、だった。
ほかの2人と違い、週末しか亜美のカラダにありつけない健一は、このときのために "オナ禁" に努めているのだ。

さらに健一は、膣内射精にそこまで執着がなさそうなのも、ほかの2人との違いだった。
もちろん、最低一発は中出しをしていくのだが、それ以外は主に口淫やパイズリでの射精を好んだ。

そして、そこまで乱暴なプレイをしないのも健一の特徴だった。
むしろ、亜美に対してどこか甘えにも似た素振りを見せるときさえあるのだ。

家族といえど、三者三様にここまで趣向が違うものなのかと、亜美は思っていた。

もちろんそれは、みな狂っている、という大前提での話だが──。


雅彦に処女を散らされたあの夜。
亜美は続けざまに、健一と慎二にも犯されていた。

実は健一と慎二は、亜美を犯すその瞬間までは童貞だった。
初体験が親子3人でのレイプになろうとは、まさか本人たちも想像していなかっただろう。

慎二はその見てくれから童貞だとしてもむしろ納得だが、健一については一応医者である。
確かにモテるタイプの容姿ではないとはいえ、少々意外な事実だった。

健一は親の期待を一心に受け、常に医学部受験というプレッシャーにさらされていたため、これまで勉強以外のことはほとんどしてこなかった。
一方の慎二は、親からの関心をすべて兄である健一に奪われたことにより、卑屈で幼稚な精神性が形成された。

この2人は対照的でありながら、どちらもなにかが欠けていたことには違いない。
父である雅彦に対する感情も、それぞれに複雑なものを抱えている。

そんないびつな親子関係だった武田家の男3人が今、たったひとつの目的を共有することで団結しようとしていた。

では、その目的とは一体なんなのか。

亜美がまだ武田家に引き取られる以前、雅彦は息子2人に、こんな話を持ちかけていた──。



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