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セイドレイ【完結】
第39章 分水嶺

貴之は去る3月の春休み中、新学期を待たずに高校を退学していた。
今回は新堂から圧力があったわけでは無く、あくまで自主退学だ。
直接的な理由としては、千佳との一件に尽きるだろう。
あの春休みに千佳とデートした日、貴之は嫌がる千佳の口を無理矢理犯した。
その後あの生配信で、男達に代わる代わる嬲られる亜美の姿を目の当たりした。
かつての恋人が輪姦される様子を見て、貴之は何度も自慰行為に耽ったのだった。
そんな自分が情けなく、何より恐ろしかった。
貴之は学園を去ることを決意する。
というより、逃げたという方が正確であろう。
両親を説得するのは困難を極めた。
退学の危機を免れた矢先に、今度は自分から辞めたいと言い出したからだ。
しかしそこは親である。
明らかに、亜美の妊娠騒動以降、精神的に不安定な息子の決断を最終的にはやむ無く受け入れた。
その後、千佳からは一切何の音沙汰も無い。
千佳の親から訴えを起こされることも覚悟していたが、あれから3ヶ月余りが過ぎた現在、特に動きは無かった。
千佳はあのことを、誰にも言わずに居るのだろうか。
本来ならちゃんと会って謝罪をすべきところなのだが、千佳が何も言わないのをいいことに、貴之はその責任から逃れようとしていた。
貴之は定時制の高校に通うことも視野に入れつつ、これ以上両親に迷惑をかけたくないとの思いから、アルバイトを始めた。
造園業を選んだ理由は、たまたま募集が出ていた、ただそれだけだった。
それだけだったのにーー。
ここへ来て、またしても亜美の影がにじり寄って来る。
まさか自分の職場が、あの武田家の庭の手入れをしていた事実があったとは。
「…お前さ、この後まだ時間あるか?」
夕飯をご馳走してくれた村尾が貴之に尋ねる。
「は、はい…大丈夫ですけど…どうかしたんすか?」
「…じゃあ、もうちょっと俺に付き合えよ。先輩の俺がお前を男にしてやっから」
「…え?どっ、どういう意味ですか?」
「そんなん決まってんだろ?フーゾクだよフーゾク!こういうクソ暑い日はフーゾク行ってサクッとヌいてスッキリしちまおうぜ。なーに、金は心配すんな。今日は俺が奢ってやっから、な?」
「でっ…でも俺っ…まだ18歳未満だしっ…それに……」
「あー?んなもんバレやしねぇよ。よし!そうと決まればさっさと行くぜー!」
今回は新堂から圧力があったわけでは無く、あくまで自主退学だ。
直接的な理由としては、千佳との一件に尽きるだろう。
あの春休みに千佳とデートした日、貴之は嫌がる千佳の口を無理矢理犯した。
その後あの生配信で、男達に代わる代わる嬲られる亜美の姿を目の当たりした。
かつての恋人が輪姦される様子を見て、貴之は何度も自慰行為に耽ったのだった。
そんな自分が情けなく、何より恐ろしかった。
貴之は学園を去ることを決意する。
というより、逃げたという方が正確であろう。
両親を説得するのは困難を極めた。
退学の危機を免れた矢先に、今度は自分から辞めたいと言い出したからだ。
しかしそこは親である。
明らかに、亜美の妊娠騒動以降、精神的に不安定な息子の決断を最終的にはやむ無く受け入れた。
その後、千佳からは一切何の音沙汰も無い。
千佳の親から訴えを起こされることも覚悟していたが、あれから3ヶ月余りが過ぎた現在、特に動きは無かった。
千佳はあのことを、誰にも言わずに居るのだろうか。
本来ならちゃんと会って謝罪をすべきところなのだが、千佳が何も言わないのをいいことに、貴之はその責任から逃れようとしていた。
貴之は定時制の高校に通うことも視野に入れつつ、これ以上両親に迷惑をかけたくないとの思いから、アルバイトを始めた。
造園業を選んだ理由は、たまたま募集が出ていた、ただそれだけだった。
それだけだったのにーー。
ここへ来て、またしても亜美の影がにじり寄って来る。
まさか自分の職場が、あの武田家の庭の手入れをしていた事実があったとは。
「…お前さ、この後まだ時間あるか?」
夕飯をご馳走してくれた村尾が貴之に尋ねる。
「は、はい…大丈夫ですけど…どうかしたんすか?」
「…じゃあ、もうちょっと俺に付き合えよ。先輩の俺がお前を男にしてやっから」
「…え?どっ、どういう意味ですか?」
「そんなん決まってんだろ?フーゾクだよフーゾク!こういうクソ暑い日はフーゾク行ってサクッとヌいてスッキリしちまおうぜ。なーに、金は心配すんな。今日は俺が奢ってやっから、な?」
「でっ…でも俺っ…まだ18歳未満だしっ…それに……」
「あー?んなもんバレやしねぇよ。よし!そうと決まればさっさと行くぜー!」

