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セイドレイ【完結】
第39章 分水嶺
そしてもうひとつ、大きく変化したことがある。

雅彦の居る「診察室1」に、壁を1枚隔てて隣接している「診察室2」。
雅彦が院長となってから「診察室2」は長年使用されていなかったのだが、現在はそこに「もう一人の医師」が居る。

菅原拓馬、32歳。
産婦人科医である彼は、約1週間前にここ、武田クリニックへやって来た。

病院のリニューアルに先駆けた増員ということで募集をかけ、採用されたのが彼だった。

まだ若くはあるが、医師としての経験は申し分無い。
その見た目は、高身長で手足が長く、程よい肉付きの好青年、と言ったところか。
如何にも賢そうで端正な顔立ちをしており、黒縁眼鏡から覗く一重瞼は目尻が垂れ下がり、凛とした雰囲気の中にも愛嬌がある。

特段美形というわけではないのだが、全体的にバランスが整った容姿で、まだ1週間足らずではあるにも関わらず患者からの評判も上々だった。

間もなく2回目のテレビ取材が入るのだが、次回は彼を中心に特集が組まれることになるらしい。

本来なら、そこには長男である健一が座っているはずだった。
これまで数々の危機に瀕しながらも、先代から引き継いだこの病院の看板を雅彦が何とか守って来たのも、そのためだったはず。

彼、菅原拓馬が次期院長になるのかはまだ明言されてはいないが、新堂はそのつもりであろうことを雅彦は分かっていた。

いよいよ、雅彦が医師としてもお役御免になる日がもうすぐそこまで迫っているのかもしれない。

菅原拓馬が本当に見たままの真面目な医師であれば、恐らく今こんな所には居ないであろう。

そう。
彼もまた、欲望によって新堂に引き寄せられたうちの一人だ。

当然、亜美を取り巻く全ての事情を知った上で、彼は今医師としてここで勤務している。

また彼は公安の酒井と同じく、運営側の人間として新堂に仕えているようだった。

つまり、亜美を自由にできるということだ。

彼はここへ来た初日から、まるで挨拶代わりとでも言うように、地下室に立ち寄って亜美を犯した。

モニター室で見守る雅彦の目の前で、勝ち誇ったような表情を浮かべて。

若く有能な医師の本性は、会員達の中でも群を抜いて倒錯しきった、性的サディストだったのだ。

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