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セイドレイ【完結】
第39章 分水嶺
風俗からの帰り道、貴之はあすかとの行為の余韻に浸っていた。

結局あの後、あすかには時間ギリギリまでフェラで2回ヌいて貰ったにも関わらず、貴之の股間は未だに勃起していた。

一度こうなると火がついたようになり、一旦精液を空っぽにするまでは鎮まらないのだ。
これは、いつもそうなるまで亜美とセックスしていたことの名残りなのかもしれない、と貴之は思ったりもしたが、恐らく精神的な要因も大きいだろうことも分かっていた。

あすかに計3回ヌいて貰っても尚、悶々としたムラつきは治まるどころかむしろ増している。

これから家に帰り、一晩中このカラダの疼きが続くのかと思うと、気が重くなった。

「……おい、おい!聞いてんのか??」

どうやら、村尾が話しかけていたようだ。
貴之はハッと我に返り、返事をする。

「すっ、すいませんっ…ちょっと考え事しててっ…」

「はぁ?おもしれえ奴だなお前は。ヌいてスッキリした後に考え事なんかするもんじゃねーよ!どうだ?あすかちゃん、良かっただろ?」

「あ…はい。てか先輩、あすかさんのこと知ってるんすか?」

「知ってるも何も、結構お気にだからちょくちょく指名すんだよ。今日は特別にお前に譲ってやったってわけだ。感謝しろよ?」

「…てことはつまり…先輩はあすかさんと…セックスしたってことですよね…?」

「あー?何当たり前のこと言ってんだお前。頭大丈夫か?そりゃいっつもヒィヒィ言わしてやってるけどな!はは」

不思議な感覚だった。
村尾の言う通り、あすかは風俗嬢。
村尾だけでなく、毎日不特定多数の客を相手にしているのだ。
当然、貴之はその中の一人に過ぎない。

しかし、何故だかそのことが、貴之の心をモヤモヤさせていた。
嫉妬とも言えない、いや、むしろ何か興奮のようなものを覚える。

他の男に輪姦される亜美の映像を見た時も、今と同じような、いや、もっと強くハッキリとした興奮を覚えていたはずだ。

もしかしてこれは、俗に言うーー。



「…そういやお前さ、最近この辺の…噂知ってるか?」

村尾が貴之に尋ねる。

「…うわさ?いえ…知らないっすけど…どんな噂なんです?」
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