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セイドレイ【完結】
第7章 絶望的観測
♢♢♢
「亜美~~…ねぇ、おっぱいしよっ…?おっぱいっ…!」
亜美の口内に大量のザーメンをぶちまけた健一。
いつも射精を終えると、健一は亜美の乳首を吸いたいとせがむ。
亜美の乳房を揉みしだきながら、いい大人がまるで乳飲み子かのように、チュウチュウと乳首をくわえて離さない。
(健一さん…───、あれ…?私、今なにを考えて……──)
一心不乱に乳首に吸いつく健一の顔を見ていると、亜美は言葉にできない感情を抱いていたことに気づく。
もしかしたら、それは "母性" の片鱗か──。
たった今、本当に一瞬だけではあるものの、亜美は健一に対するいつもの嫌悪感を忘れていたのだ。
(男の人って…みんなこういうものなの?パパや学校の先生も…本当は私の知らないところで、みんなこんなふうに…──)
そんなことをぼんやり考える亜美だったが、すぐさま首を横に振り、自分の思考を否定する。
(──いや、絶対にそんなわけない。この家の人たちがおかしいだけ…────)
するといつの間にか、健一は亜美の腕の中で寝息を立てていた。
近ごろまた少し膨らみを増した気がする、亜美の乳房をくわえたまま──。
亜美とって、週末は地獄だった。
平日も地獄には変わりないが、まだ学校があるだけ幾分マシに思えた。
土日は家政婦の内藤が休みであり、朝から家の中には男しかいない。
そしてそこへ、健一までやってくるのだ。
雅彦は分娩などがあるため病院に居ることも多かったが、一番厄介だったのは、やはり慎二の存在である。
武田家の3人のうち、亜美に対してもっとも屈辱的な振る舞いをする男が引きこもりニートであるという不運。
家に常駐しているせいで、暇さえあれば亜美を襲いにくるのだ。
ただ慎二は、亜美が雅彦や健一と過ごしているときは決して手を出そうとはせず、部屋に閉じこもりその姿を一切見せなかった。
おそらく、慎二なりになにか理由があるのかもしれない。
しかし、亜美からすると男たちのそんな事情は知ったことではない。
この屋敷にいるかぎり、常にその3人のうちの誰かに犯されることには変わりないからだ。
(なんだか私も眠い……ちょっとだけ眠ろう…──)
健一を胸に抱いたまま、亜美もつかの間の睡眠を貪った。