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セイドレイ【完結】
第40章 蚊帳の外の景色
真夏の陽射しを遮るように締め切られたカーテン。
エアコンの室外機が轟々と悲鳴を上げるアパートの一室に、巨体の男が大木のように横たわっていた。

昼間だというのに薄暗い部屋で、スマホの画面の明かりがその男の顔を照らしていた。

新堂によって人生を狂わされた男がここにも一人。
実家を追い出され、田中のアパートに身を寄せている慎二だった。

ふてぶてしい図体のせいで、元々狭い部屋がより一層窮屈に見える。
慎二は1日のほとんどを、部屋の中央に敷かれた布団の上で過ごしていた。
それ自体は、実家に居た頃とさほど変わりない。

平日、田中は朝早くに家を出て仕事先である学園へ向かう。
慎二が昼前に目を覚ますと、枕元にはおにぎりやサンドイッチなどの主食と、ちょっとしたおかずが毎日置かれていた。

田中の料理の腕前については、亜美から聞いて知っていた。
初めて口にした時、納得したのを覚えている。

この狭い部屋に亜美は約半年もの間、監禁されていたのだ。
監禁中の生活については、亜美から、そして田中からも聞かされていた。
慎二達が亜美の失踪に怯えている間、この部屋で田中が亜美を抱いていたことも。

こうなった事の直接的な原因を作ったのが自分であることくらい、いくら幼稚な精神性を持った慎二でも自覚はしていた。
あの日、亜美を外に連れ出しさえしなければ、少なくとも今こうして田中のアパートに居ることは無かっただろう、と。

そう思うと同時に、時間の問題だったかもしれないとも考えた。
慎二の知らない所で、雅彦と新堂の関係に亀裂が入っていた。
形はどうあれ、あんな生活は長くは続かなかったであろう、と。

あんな生活。

あんな生活とは、今慎二が見ているスマホに映し出されている生活のことだ。

慎二は、『セイドレイ』に自身がアップした亜美とのセックス動画の数々を眺めていた。
亜美が失踪した後、動画は非公開設定にしただけで未だにサイト上には残っているため、投稿主である慎二はそれを見ることができるのだ。
最も、ネットで検索すれば、それらの動画は既にいくつものサイトに転載されているのだが。


画面の中でケダモノのようにまぐわう、目を覆いたくなるような醜悪な容姿の男と、麗しい少女。

慎二は、そこに映っているのが自分であるということが、今となってはどこか信じられなかった。
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