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セイドレイ【完結】
第40章 蚊帳の外の景色
「…ええ、分かってますとも。今、亜美の状態や体調管理を任されているのは僕なんで、新堂さんとは逐一連絡は取ってますから、一応動きも把握しています。院長は新堂さんが来ない日とか、夜中にこっそり亜美の寝床を襲いに行っちゃえばいいんですよ。大丈夫、バレやしませんて!僕なんてほぼ毎晩連れ出してますけど、全然余裕ですし」
これはもしや罠なのでは無いか、と雅彦は勘繰る。
新堂の指示の有無はさておき、こうして雅彦と亜美を接近させる目的が何かあるのでは無いか、と。
今日のこの会話だけでも、菅原の極端な二面性に驚いているところなのだ。
そんな奴の言うことを鵜呑みにして、いそいそと亜美に近づきでもすれば、どんな罰が待ち受けているのか全く予測がつかない。
大体、菅原にとってこのことは、何のメリットにもならないはずだ。
利己主義の塊のような男が、何の目的も無くこんなことを口にするとは到底思えない。
「目的は…なんだ?ワシには…何の力も権限も無いぞ。むしろ、いずれここを去る人間だ。それも貴様の台頭によってな。情けをかけているつもりなら、ワシはそんなもの要らんぞ」
「…目的…ねぇ。はい。まぁ、あるっちゃあるんですけど、言わなきゃダメですかね?」
「そっ…そこまで言ったなら、言って貰おうじゃないか」
「んー…仕方ないなぁ…ちょっと恥ずかしいからできれば言いたく無かったんですけど…」
「…は、恥ずかしい…?」
「はい。あのー…まぁ率直に言うとですね…見て…みたいんですよね…」
「見てみたい?何をだ…?」
「あなたが…亜美とセックスするところを」
雅彦は目が点になる。
拍子抜け、と言ってもいい。
とにかく、菅原の言っていることの意味が理解できない。
「…ほら、変な雰囲気になっちゃったじゃないですか。だから言いたく無かったんですよ」
「い、いや…そんなもの見て、どうする?」
「…ははっ、じゃあそれについてはまた次の機会にでも。あ、もうこんな時間ですよ…?ちょっと昼飯行って来ます。院長もちゃんとご飯食べなきゃダメですよ?じゃ、失礼します」
そう言うと菅原は、あっさりと診察室から出て行ってしまった。
これはもしや罠なのでは無いか、と雅彦は勘繰る。
新堂の指示の有無はさておき、こうして雅彦と亜美を接近させる目的が何かあるのでは無いか、と。
今日のこの会話だけでも、菅原の極端な二面性に驚いているところなのだ。
そんな奴の言うことを鵜呑みにして、いそいそと亜美に近づきでもすれば、どんな罰が待ち受けているのか全く予測がつかない。
大体、菅原にとってこのことは、何のメリットにもならないはずだ。
利己主義の塊のような男が、何の目的も無くこんなことを口にするとは到底思えない。
「目的は…なんだ?ワシには…何の力も権限も無いぞ。むしろ、いずれここを去る人間だ。それも貴様の台頭によってな。情けをかけているつもりなら、ワシはそんなもの要らんぞ」
「…目的…ねぇ。はい。まぁ、あるっちゃあるんですけど、言わなきゃダメですかね?」
「そっ…そこまで言ったなら、言って貰おうじゃないか」
「んー…仕方ないなぁ…ちょっと恥ずかしいからできれば言いたく無かったんですけど…」
「…は、恥ずかしい…?」
「はい。あのー…まぁ率直に言うとですね…見て…みたいんですよね…」
「見てみたい?何をだ…?」
「あなたが…亜美とセックスするところを」
雅彦は目が点になる。
拍子抜け、と言ってもいい。
とにかく、菅原の言っていることの意味が理解できない。
「…ほら、変な雰囲気になっちゃったじゃないですか。だから言いたく無かったんですよ」
「い、いや…そんなもの見て、どうする?」
「…ははっ、じゃあそれについてはまた次の機会にでも。あ、もうこんな時間ですよ…?ちょっと昼飯行って来ます。院長もちゃんとご飯食べなきゃダメですよ?じゃ、失礼します」
そう言うと菅原は、あっさりと診察室から出て行ってしまった。