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セイドレイ【完結】
第41章 愚かなる兆し
本山は事の経緯を田中に説明する。
そして現在、そのスマホの行方が分からなくなっていることも。
「…あいつ、千円札クシャクシャに握り締めて、『これで何とかお願いします。足りない分はカラダを売って稼ぐから』って必死に訴えて来てな。すげぇ気迫だったぜ。俺も相当迷ったんだが…逆にあいつに脅されちまってさ」
「…そんなことが…あったんですね。だからかな、先生と亜美ちゃんの関係は…また他の人達とは少し違うような気がしてたんです…」
「うむ……まぁそれはいいんだ、が。あいつがあのスマホを使って何かしようとしてたことは確かなんだ。何度か本人に聞いちゃあいるんだが、結局教えてくれなくてな。『先生には迷惑かけないから大丈夫』って…ただそれしか言わねぇんだよ。俺としては、まさかこんなことになるとは思って無かったから…一応、俺の名義で契約してあるし、何か面倒なことにならなきゃいいんだが…と少し不安でな」
「…どこに隠してあるのか聞いても教えてくれないんですか?」
「おう。恐らくあいつが監禁される前までは、トメっていうばあさん家の庭の小屋に隠してあったはずなんだ。念の為、あいつにスマホを渡す前にGPSのアプリをこっそりインストールしてあって、電源が入れば位置が特定できるんだが…監禁されて以降、電源はずっとオフのままなんだよ。それにあいつ、スマホ以外にもな?大容量のマイクロSDを買ってくれ、って頼んで来たことがあって、学校であいつの靴の中に入れて渡したりもしたんだが…結局、何に使うのかは教えてくれなくてな…」
過去に、本山が亜美の靴の中に入れた「小さな物体」の正体は、マイクロSDカードだったのだ。
亜美はスマホとそのSDカードを使って、一体何をしようとしていたのか。
「大容量のマイクロSD…何かをスマホに保存したかったんでしょうか。容量を食うものと言えば、画像とか動画とか……あ」
「どうした?何か心当たりがあるのかっ…?」
「い、いえ…その、亜美ちゃんと最後に過ごした夜に…僕がつい感情的になって、一緒にここから逃げようって言ったら…『まだやらなきゃいけないことがあるからごめんなさい』って、亜美ちゃんが言ってたんですよね…もしかしたらそのことと関係があるのかも、って、今ふと思ったので…」
「やらなきゃいけないこと、か……だとしたら、スマホはまだどこかにあるはずだな…」
そして現在、そのスマホの行方が分からなくなっていることも。
「…あいつ、千円札クシャクシャに握り締めて、『これで何とかお願いします。足りない分はカラダを売って稼ぐから』って必死に訴えて来てな。すげぇ気迫だったぜ。俺も相当迷ったんだが…逆にあいつに脅されちまってさ」
「…そんなことが…あったんですね。だからかな、先生と亜美ちゃんの関係は…また他の人達とは少し違うような気がしてたんです…」
「うむ……まぁそれはいいんだ、が。あいつがあのスマホを使って何かしようとしてたことは確かなんだ。何度か本人に聞いちゃあいるんだが、結局教えてくれなくてな。『先生には迷惑かけないから大丈夫』って…ただそれしか言わねぇんだよ。俺としては、まさかこんなことになるとは思って無かったから…一応、俺の名義で契約してあるし、何か面倒なことにならなきゃいいんだが…と少し不安でな」
「…どこに隠してあるのか聞いても教えてくれないんですか?」
「おう。恐らくあいつが監禁される前までは、トメっていうばあさん家の庭の小屋に隠してあったはずなんだ。念の為、あいつにスマホを渡す前にGPSのアプリをこっそりインストールしてあって、電源が入れば位置が特定できるんだが…監禁されて以降、電源はずっとオフのままなんだよ。それにあいつ、スマホ以外にもな?大容量のマイクロSDを買ってくれ、って頼んで来たことがあって、学校であいつの靴の中に入れて渡したりもしたんだが…結局、何に使うのかは教えてくれなくてな…」
過去に、本山が亜美の靴の中に入れた「小さな物体」の正体は、マイクロSDカードだったのだ。
亜美はスマホとそのSDカードを使って、一体何をしようとしていたのか。
「大容量のマイクロSD…何かをスマホに保存したかったんでしょうか。容量を食うものと言えば、画像とか動画とか……あ」
「どうした?何か心当たりがあるのかっ…?」
「い、いえ…その、亜美ちゃんと最後に過ごした夜に…僕がつい感情的になって、一緒にここから逃げようって言ったら…『まだやらなきゃいけないことがあるからごめんなさい』って、亜美ちゃんが言ってたんですよね…もしかしたらそのことと関係があるのかも、って、今ふと思ったので…」
「やらなきゃいけないこと、か……だとしたら、スマホはまだどこかにあるはずだな…」