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セイドレイ【完結】
第41章 愚かなる兆し
田中とあんな話をしたせいか、本山は今更ながら罪悪感に苛まれていた。
いや、これまでも常にどこかでは感じていた。
それがこのところ顕在化しただけのことだろう。

「…おーい、風呂沸いたぞ~」

本山の呼ぶ声を聞いた亜美は、しとどになったそのカラダで浴室へと向かう。

「…へへっ、今日は先生も一緒に浸かっていいか?今日も暑くて暑くて死ぬほど汗かいちまったからな」

「…は、はい………」

既に落ち着きを取り戻していた亜美は、本山の様子がどうやらいつもと違うことに気づく。
普段なら、亜美が入浴している間に部屋の清掃をするはずなのだが…。
本山は服を脱ぐと、背後から亜美を抱くようにして浴槽に浸かった。

本山の毛深く太く逞しい腕が、亜美の肩にかかる。
日に焼けて黒々としたその腕が、陽の当たらぬ地下室で過ごす亜美の肌の白さを強調するようだ。

思えば幼きころ、こんな風に父と風呂に入っていたことを亜美は思い出していた。

「ふぅ~!やっぱり風呂はいいなぁ…今日は金曜日だからな。先生もたまにはゆっくりしていくぜ」

いつもはそそくさと亜美のどこかに射精をして、その後怒涛の速さで部屋の清掃を行うというのにーー、やはり少し妙だ。

「…先生、あの……何かありましたか…?」

「…ん?いや…その……なんだ。まぁ…実は、お前と少しちゃんと話がしたくてな」

「はなし……ですか」

「そ、そうだ。話というか何というか…聞きたいことがいくつかあってな……も、もちろん、そういう気分じゃないなら、また今度で良いんだが……」

「……………………いいですよ。なんでも…聞いてください」

「お、おう。じゃあ…まず、お前に…渡したスマホのこと、なんだが。……あれは結局、今どうなってる?いやっ、別にいいんだが、使ってないならアレかなー…なんて思ってな」

「……………………」

すると亜美は何も言わず、ベッドの方向を指差す。

「…ん?どした?あそこになんかあるのか??もしかしてスマホが…」

「……いえ。もし、月々の料金がかかるなら、あそこの引き出しから私のお金を持って行って欲しいと思って……すいません」

亜美が指し示した方向には、ベッドの横にナイトテーブルが置かれていた。
その中には、今まで亜美が受け取った、客一人につき千円の報酬が入っていた。
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