この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第41章 愚かなる兆し
「…近頃、新堂さんは来なくて、代わりに菅原さん…新しく来たお医者さんがお金を持って来てくれるんです。全部持ってってもいいので…それでお願いします」

「い、いやっ…違う!違うんだ高崎、お金なんてどうでもいいんだ……そうじゃなくて」

ここは素直に核心に迫るべきだと、本山は悟った。

「…その…あれだ。お前があのスマホを使って…何をしようとしてたのか。スマホだけじゃない、SDカードもあったろ…?そ、それを教えて欲しいんだ。もちろん誰にも言わない。だってあのスマホは、先生とお前だけの…秘密だから…な?」

「………確かに、私が考えていたことはありました。でも…もういいんです。うん…もういいかな、って最近は」

「…もういいって……な、何のことかは知らんが、もう必要ない、ってことなのか?」

「……そう。そっか。もう必要無いかもしれませんね。うん」

掴みどころの無い返答を繰り返す亜美に、本山は困惑した表情を浮かべる。

やはり、亜美はあのスマホを使って何かをしようとしていた。
しかし、最近になってその必要が無くなった、ということなのか。

「じ、実はな?ついこの前、田中さんと話をしたんだ。その時…お前が『まだやらなきゃいけないことがある』って言ったって聞いてよ?…も、もし…何か先生にもできることがあるならーって……そう思ったんだが………」

「…先生にできること?無いですよそんなの。今更…」

今更。
そのひと言が、本山に重くのしかかる。
自責の念から身勝手に罪悪感を抱き、今更亜美の味方になろうとしても、そんな都合の良い話は無い。亜美がそう言うのも当然だろう。

「……先生は、お子さんいましたよね?」

亜美が唐突な質問をする。

「お、おう…三人居るが……それがどうした?」


「先生は、そのお子さんが……本当に自分の子だどいう自信はありますか……?」


「なっ…?なんだよそれ……自信って…」


あまりに意外なその質問に本山はうろたえる。
しかし、珍しく亜美の方から問いかけてきたのだ。
これはきっと何か意味があるに違いない。

「…そう言われてみりゃあ、自信なんてねーな。男は自分が腹を痛めるわけでも無い。種だけ蒔いて終わりだ。まぁあとはあれか?だんだん自分に似てきたとか…そういうことくらいでしか判断できん。思い込みだと言われりゃそれまでだが…」
/903ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ