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セイドレイ【完結】
第42章 原風景
「…はい。実は…毎日じゃなくてたまに…なんですけど。朝起きると……その……私の………性器のあたりに、男の人の……せ、精液が付いてることがあって。乾いてカピカピになってはいるんですけど……」
「……ワシじゃないぞ、それは」
「そっっ…そうですよね……疑ってごめんなさい。私が寝てる間に…誰かがここに来てるとは思うんですが。いつもお客様の相手をした後、先生がお風呂に入れてくれます。で、その後…菅原さ……あ」
「…その件はワシも知っている。大丈夫だ。続けなさい」
「あ…はい。その後、菅原さんと…深夜に外へ行く日もあったりするんですが……私、ちゃんと寝る前にもう一度シャワーは浴びてるんです。で、毎日疲れてしまって…あっという間に眠ってしまうんですけど……誰かがここへ来てるなら、私が眠った後だと思うんです」
「…寝ているところを襲われてはいないのか?まぁさすがにそれならお前も目を覚ますだろうが……」
「…はい。私もそこが不思議で。その……これは感覚的な話なんですけど…誰かに、挿入されたような感じもしなくて。ただ、性器に精液をかけられただけ、っていう。健一さんや慎二さんがここへ来ることは無いし、先生や菅原さんがわざわざそんなことをするようにも思えなくて……それで、もしかしたらお義父さまが夜中にこっそりと…なんて思っていたんですが」
「…ふんっ。もしワシが来ておったらそれだけじゃ済まんぞ?」
「あ…あはは。そっか……でもそうすると、一体誰が……私がちゃんと洗えてないだけなのかな……う~ん」
そう考え込む亜美の表情に、熱い視線を送る雅彦。
「……お義父さま…?私の顔に何か………きゃっ」
ベッドに座る亜美を、雅彦は無言で抱き締める。
まるで大事なものを手放すまいとするように。
「おっ…お義父さまっ?!急にどうされ……」
亜美は突然のことに驚くも、嗅ぎなれた雅彦の首筋から漂う体臭と、白衣から香る消毒液の匂いに、どこか懐かしさを覚えて安堵する。
(お義父さま……)
きつく抱き締めたまま動こうとしない雅彦の頭へ、亜美は自然と腕を回す。
そして子供をあやすように、よしよし、と心の中で唱えながら、雅彦の後頭部を撫でた。
二人をしばしの静寂が包み込む。
こうしている間だけでも、お互いの愚かさから目を背けていられる。
そんな抱擁だった。
「……ワシじゃないぞ、それは」
「そっっ…そうですよね……疑ってごめんなさい。私が寝てる間に…誰かがここに来てるとは思うんですが。いつもお客様の相手をした後、先生がお風呂に入れてくれます。で、その後…菅原さ……あ」
「…その件はワシも知っている。大丈夫だ。続けなさい」
「あ…はい。その後、菅原さんと…深夜に外へ行く日もあったりするんですが……私、ちゃんと寝る前にもう一度シャワーは浴びてるんです。で、毎日疲れてしまって…あっという間に眠ってしまうんですけど……誰かがここへ来てるなら、私が眠った後だと思うんです」
「…寝ているところを襲われてはいないのか?まぁさすがにそれならお前も目を覚ますだろうが……」
「…はい。私もそこが不思議で。その……これは感覚的な話なんですけど…誰かに、挿入されたような感じもしなくて。ただ、性器に精液をかけられただけ、っていう。健一さんや慎二さんがここへ来ることは無いし、先生や菅原さんがわざわざそんなことをするようにも思えなくて……それで、もしかしたらお義父さまが夜中にこっそりと…なんて思っていたんですが」
「…ふんっ。もしワシが来ておったらそれだけじゃ済まんぞ?」
「あ…あはは。そっか……でもそうすると、一体誰が……私がちゃんと洗えてないだけなのかな……う~ん」
そう考え込む亜美の表情に、熱い視線を送る雅彦。
「……お義父さま…?私の顔に何か………きゃっ」
ベッドに座る亜美を、雅彦は無言で抱き締める。
まるで大事なものを手放すまいとするように。
「おっ…お義父さまっ?!急にどうされ……」
亜美は突然のことに驚くも、嗅ぎなれた雅彦の首筋から漂う体臭と、白衣から香る消毒液の匂いに、どこか懐かしさを覚えて安堵する。
(お義父さま……)
きつく抱き締めたまま動こうとしない雅彦の頭へ、亜美は自然と腕を回す。
そして子供をあやすように、よしよし、と心の中で唱えながら、雅彦の後頭部を撫でた。
二人をしばしの静寂が包み込む。
こうしている間だけでも、お互いの愚かさから目を背けていられる。
そんな抱擁だった。