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セイドレイ【完結】
第42章 原風景
「ふぅ……午後も地獄だな、こりゃ」
さんさんと照りつける太陽の下、貴之とその同僚の村尾は木陰で昼休憩を取っていた。
じっとしているだけでも噴き出す汗をタオルで拭いながら軽く昼食を済ませ、午後からの仕事に備えた束の間の休息。
村尾はタバコに火をつけ吹かすと、貴之にこう尋ねた。
「…そういやお前、あれから毎日のように『あすかちゃん』とこ行ってんだって?」
「…えっ?!な、なんで先輩がそのことをっ…??」
「何でもクソも、俺はあの店の太客なんだぜ?この前行った時店長から聞いたんだよ。お前がしょっちゅうあすかちゃんを指名してるってことをよ。…ったく、コレだから盛りのついたガキは…お前に教えるのはまだ早かったかなぁ…責任感じちまうじゃねーか」
「す、すいません……」
「ははっ!いやいや、ジョーダンだよ、ジョーダン。ただ、金は大丈夫なのか?って思って心配してやってんだよ。お前じゃあまだ給料も安いだろ?」
「金は…まぁ何とかやりくり…してます。すいません、心配かけちゃって…」
貴之はあれから、暇を見つけては足しげくあすかの元へ通っていたのだった。
その理由はいくつかあるのだがーー。
ひとつは、亜美と離れてから押し込めていた性欲が、あの日あすかとのセックスによって再び目覚めてしまった、ということ。
いくら若いとはいえ、貴之自身もそれが正常ではないことを薄々自覚し始めていた。
仕事中は作業に集中しているからまだ良いのだが、それ以外の時に強烈な性衝動が貴之を襲っていた。
自慰で治めようとも、悶々としたカラダの疼きが静まることは無く、むしろ助長するだけだった。
常にセックスのことが頭から離れず、ふと気づくとあすかの勤務する風俗店へ予約の電話を入れてしまう。
そしてそれは治まるどころか、日に日にエスカレートしていた。
実家暮らしなのが幸いし、今のところ生活に困窮しているわけではないのだが、初任給のほとんどをあすかへの指名に費やしてしまっている。
こんなことを続けていてはいけないと思いつつ、今の貴之は理性をコントロールすることが出来なくなっていた。
そして一瞬の満足の後にやってくる、強烈な自己嫌悪。
セックス依存性。
貴之は徐々ではあるが確実に、その片鱗を覗かせていたのである。
さんさんと照りつける太陽の下、貴之とその同僚の村尾は木陰で昼休憩を取っていた。
じっとしているだけでも噴き出す汗をタオルで拭いながら軽く昼食を済ませ、午後からの仕事に備えた束の間の休息。
村尾はタバコに火をつけ吹かすと、貴之にこう尋ねた。
「…そういやお前、あれから毎日のように『あすかちゃん』とこ行ってんだって?」
「…えっ?!な、なんで先輩がそのことをっ…??」
「何でもクソも、俺はあの店の太客なんだぜ?この前行った時店長から聞いたんだよ。お前がしょっちゅうあすかちゃんを指名してるってことをよ。…ったく、コレだから盛りのついたガキは…お前に教えるのはまだ早かったかなぁ…責任感じちまうじゃねーか」
「す、すいません……」
「ははっ!いやいや、ジョーダンだよ、ジョーダン。ただ、金は大丈夫なのか?って思って心配してやってんだよ。お前じゃあまだ給料も安いだろ?」
「金は…まぁ何とかやりくり…してます。すいません、心配かけちゃって…」
貴之はあれから、暇を見つけては足しげくあすかの元へ通っていたのだった。
その理由はいくつかあるのだがーー。
ひとつは、亜美と離れてから押し込めていた性欲が、あの日あすかとのセックスによって再び目覚めてしまった、ということ。
いくら若いとはいえ、貴之自身もそれが正常ではないことを薄々自覚し始めていた。
仕事中は作業に集中しているからまだ良いのだが、それ以外の時に強烈な性衝動が貴之を襲っていた。
自慰で治めようとも、悶々としたカラダの疼きが静まることは無く、むしろ助長するだけだった。
常にセックスのことが頭から離れず、ふと気づくとあすかの勤務する風俗店へ予約の電話を入れてしまう。
そしてそれは治まるどころか、日に日にエスカレートしていた。
実家暮らしなのが幸いし、今のところ生活に困窮しているわけではないのだが、初任給のほとんどをあすかへの指名に費やしてしまっている。
こんなことを続けていてはいけないと思いつつ、今の貴之は理性をコントロールすることが出来なくなっていた。
そして一瞬の満足の後にやってくる、強烈な自己嫌悪。
セックス依存性。
貴之は徐々ではあるが確実に、その片鱗を覗かせていたのである。