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第42章 原風景

「君が千佳って子にしたことは…正直、女のあたしからするとサイテーだと思う。もしかしたら…ううん、多分確実に、その子傷ついてるよ。君のせいで男性不信になってるかもしれない。君が今、トラウマを抱えて居るようにね」

あすかの言葉が貴之の胸に突き刺さる。
どこかで自分は被害者なのだと思っていたが、貴之が千佳にしてしまったことは立派な加害だった。

今貴之が悶々とした日々に苦しんでいるのとは比べ物にならないほど、千佳は貴之にされたことで辛い日々を送っているのかもしれないのだ。

「…多分、その子は許してくれないと思う。もしかしたら、君の顔を見るだけで恐怖を感じるかもしれない。でもさ…だからって何もしない、ってことはダメなんじゃないかなって、あたしは思うよ。たとえ無視されたとしても、連絡すらしないって言うのはあまりにも酷過ぎる。その子が黙ってくれてるのを良いことに、君は自分のことしか考えてない。違うかな？」

反論する気も起きない程に、あすかの言うことは至極もっともだった。

「…ま、どうなるかはさておき。まずはその子に謝罪の意思を伝えてみようよ。相手がそれを望んでないかもしれないけど…今更思い出させて辛くさせちゃうだけかもしれないけどさ。でも、行動しないことには君は自分のしたことの重さが分からないまま大人になっちゃう。あたしは一応、大人として…それから女としても、君にそんなクズ野郎になって欲しくないってこと」

「…女として？」

「ん？あっ、いやいや、変な意味じゃなくてその…ま、いいや。とにかくっ、自分が今できることを精一杯やるの！あたしが言っても説得力無いだろうけどさ…。それでももし、ダメだったとしたら……」

「……したら？」


「その時は、代わりにあたしが君のこと…許してあげるから」


「あすか…さん？」


「さ、堅苦しい話はこのへんにしといて。君と居るとうっかり本職を忘れそうになるわ…。つってもー、まだ今月末まではあたしはプロだから、今のうちにプロの仕事を見せつけておかないと…ね？」

「あっ…あすかさんっ……んんっ！んっ…」

あすかは貴之の肉棒に舌を這わせる。

貴之はその絶妙な舌技に酔いしれながら、今夜も留まる気配の無い欲求をあすかにぶつけたのだった。