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セイドレイ【完結】
第43章 箱庭
健一はスマホで『セイドレイ』にアクセスする。
当然、亜美の痴態を収めた動画を見るためだ。

動画のサムネイルを見ているだけでも即座に股間が反応を示すというのに、どうして律子に対しては上手くいかないのだろう。

今日のために3日程だが禁欲もしていた。
こうして動画を見ていると今にも射精してしまいそうなのに。

律子は所謂、"マグロ"だった。
服だけ脱いで『さあ入れてください』と言わんばかりで、キスや前戯をする訳でも無い。
そのあまりにも作業的な行為に興奮出来ないというのもあるかもしれない。

いや。
どう考えても今までが異常だったのだ。

最初こそ、健一は亜美に対して『レイプしている』という感覚があった。
泣き喚く少女を襲うという非現実的な世界にどっぷりと浸っていた。

しかし、程なくして亜美は受け身でありながらも、どうすれば健一が悦ぶかどうかを身につけていったように思う。
無論、それは健一だけでは無い。
亜美を抱いた全ての男に対してそうだった。

顔の前に肉棒を差し出せば、亜美は何も言わずにそれを口に咥え込み、丹念に奉仕をした。

次に男が何を求めているかを察知しているのかのようだった。

男達は皆、それが自分の調教の賜物であると勘違いした。
快楽の前に降伏した少女が、あたかも少女の意思でそれを求めているのだと錯覚していた。

そして元々奥手だった健一は、いつしかそんな少女を愛するようになって行く。

それこそが、最大の錯覚だったというのに。

亜美を自由に抱けていた時は、日常そのものが潤っていたように思う。
ハードな研修に根をあげそうな時も、週末に実家に行けばそこには極上の肉便器が居ると思えば耐えることができた。
周囲の人間が出会いを求めて合コンや遊びに躍起なっていても、『自分には亜美が居るのだから』という絶対的な優越感から興味すら沸かなかった。

健一の不満やストレスを全て、あの小さなカラダで受け止めてくれていた亜美。

父親や弟より、自分こそが亜美に相応しいと思っていた。
亜美を妻として迎え、あの圧倒的な母性に癒される毎日を夢見ていた。

しかし今となっては、そんな身勝手な夢を見ることすら叶わない。

健一の妻になるのは、亜美とは何もかも違う性質を持った律子という女なのだから。
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