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セイドレイ【完結】
第43章 箱庭
「暑いのにご苦労さんですね~?」
武田クリニックの外周を取り囲む植樹の剪定をしている庭師に、ちょうど午前の診療を終えた菅原が声をかける。
「ああ…どうもどうもお世話になります。そうか、もう昼時だな。おーい、お前ら、昼にするぞー!」
親方と見られるその男は、別の場所で作業をしていた弟子二人にそう声をかけ、脚立から降りてくる。
「…あれ?もしやあんたが…例の新しいお医者さんか?テレビで特集組まれてた…」
菅原の顔を見た親方がそう口にする。
「あはっ、いやいやーお恥ずかしい。そうです、菅原って言います」
「へぇ~。若いのに大したもんだ。それにテレビで見るより二割増くらいで男前に見える。それじゃあ女がほっとかんだろう?なあ?」
「あははっ…そうだと良いんですけどね。僕なんて全然です…」
「おいおい、そんな顔してて謙遜なんかしてたら罰が当たるぞ?…そうそう、武田さんとことは、先代…俺の親父がやってた頃からお付き合いさせてもらっててなぁ。最近はちょっと暇を頂いていたんだが、またこうして声掛けてもらってよ。あんたのお陰かもな?病院、結構繁盛してんだろう?」
「そんなそんなぁ…僕のお陰なんてことは無いですよ~。院長がしっかりやってらっしゃるんで、そのお陰です。…あちらにいるのはお弟子さんですか?」
菅原の視線の先に、二人の男が立っていた。
「おーそうそう。最近若いのが一人入ってな?まだ16とか17かそこらなんだが、なかなか鍛え甲斐のあるやつでなぁ。こんくらいの規模の作業は勉強にもなるってんでこちとら武田さんには感謝しとりますわ」
「へぇ…御三方とも皆さん、漢らしいですねぇ…」
「ははっ!あんたと違って暑苦しい奴らですわ。まぁ、今週いっぱいくらいはお世話になりますんで、よろしくお願いしますよ。しっかし武田さんは羽振りがいい。今日なんかわざわざ朝挨拶に来てくださって、家政婦さんが辞めちゃって休憩の茶が出せないからって、お心付けまで頂いてしまってな…本当にありがたいですわ」
「…ふ~ん。…院長がそんなことをねぇ」
「じゃ、俺らは飯にしますんで!先生はこれからどちらへ?」
「あ、ええ。僕もお昼にしますんで。暑いですけど午後もよろしくお願いします」
武田クリニックの外周を取り囲む植樹の剪定をしている庭師に、ちょうど午前の診療を終えた菅原が声をかける。
「ああ…どうもどうもお世話になります。そうか、もう昼時だな。おーい、お前ら、昼にするぞー!」
親方と見られるその男は、別の場所で作業をしていた弟子二人にそう声をかけ、脚立から降りてくる。
「…あれ?もしやあんたが…例の新しいお医者さんか?テレビで特集組まれてた…」
菅原の顔を見た親方がそう口にする。
「あはっ、いやいやーお恥ずかしい。そうです、菅原って言います」
「へぇ~。若いのに大したもんだ。それにテレビで見るより二割増くらいで男前に見える。それじゃあ女がほっとかんだろう?なあ?」
「あははっ…そうだと良いんですけどね。僕なんて全然です…」
「おいおい、そんな顔してて謙遜なんかしてたら罰が当たるぞ?…そうそう、武田さんとことは、先代…俺の親父がやってた頃からお付き合いさせてもらっててなぁ。最近はちょっと暇を頂いていたんだが、またこうして声掛けてもらってよ。あんたのお陰かもな?病院、結構繁盛してんだろう?」
「そんなそんなぁ…僕のお陰なんてことは無いですよ~。院長がしっかりやってらっしゃるんで、そのお陰です。…あちらにいるのはお弟子さんですか?」
菅原の視線の先に、二人の男が立っていた。
「おーそうそう。最近若いのが一人入ってな?まだ16とか17かそこらなんだが、なかなか鍛え甲斐のあるやつでなぁ。こんくらいの規模の作業は勉強にもなるってんでこちとら武田さんには感謝しとりますわ」
「へぇ…御三方とも皆さん、漢らしいですねぇ…」
「ははっ!あんたと違って暑苦しい奴らですわ。まぁ、今週いっぱいくらいはお世話になりますんで、よろしくお願いしますよ。しっかし武田さんは羽振りがいい。今日なんかわざわざ朝挨拶に来てくださって、家政婦さんが辞めちゃって休憩の茶が出せないからって、お心付けまで頂いてしまってな…本当にありがたいですわ」
「…ふ~ん。…院長がそんなことをねぇ」
「じゃ、俺らは飯にしますんで!先生はこれからどちらへ?」
「あ、ええ。僕もお昼にしますんで。暑いですけど午後もよろしくお願いします」