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セイドレイ【完結】
第43章 箱庭
「亜美ー。ご飯の時間だよー」
地下室の扉を開け、お膳と、何やらポーチのようなものを手にした菅原が入ってくる。
「…あ、ありがとうございます」
「よっぽどその本、気に入ってんの?」
亜美が手にしていた本は、『母性という神話』だった。
「あ、いえ…ちょっと、もう一度最初から読み返してみようかと思って…もう返却期限ですか?」
「ううん。まだ大丈夫だよ。そっかぁ、亜美が読み終わったら僕ももっかい読んでみよーかなー。あ、そういえば…コレでいいんだよね?」
そう言って菅原は手に持っていたポーチを亜美に差し出す。
「はい…私あんまりお化粧しないんでアレですけど…でも、ママの使ってたやつも形見としてここに入ってるんで…」
「へぇ~。確かに亜美は、メイクなんかしなくても可愛いもんなぁ。これでがっつりメイクしちゃったらどうなっちゃうんだろ」
そのポーチは、亜美の化粧道具が入っており、ずっと亜美の部屋で放置されていたのを菅原がここへ持って来たのだ。
「…下地と、コンシーラー。で、これがファンデーション。あとこれがお粉で…えっと、アイブロウペンシル、これは眉マスカラ…かな?こっちがチークで、これとかこれがアイシャドウ…こっちがマスカラで、アイライナーが黒とブラウン…あとはハイライトに…うーんと、あ、リップとかはこっちに入ってますね」
亜美はポーチの中から、次々と化粧品を取り出し、それらをベッドの上に並べて行く。
「へぇ~…こんなたくさんあるんだ…ちなみにこれ、全部使うの?」
「い、いえ…私は使っても下地と…あとはチークとリップくらいですかね。あとはママの物です。学校はお化粧禁止だったし…だからあんまり詳しくは無いんですけど…」
「全然いーよいーよ。ふ~ん、やっぱ女って楽しそうだね。いいなぁ~。しかも亜美みたいに可愛く産んでもらえたら最高じゃん」
「…それは私には…何とも…」
その結果、こんな人生を歩むことになっても、最高だと言えるのだろうかと、亜美は思った。
「あ、なんか変なこと言っちゃったね。ま、気にしないで。おっけーありがと。じゃあひとまずこれはまた時間のある時に。そうそう、今日はさ、ちょっと面白い話があるんだけど…聞きたい?聞きたく無いって言っても話しちゃうけどね~」
「…何でしょうか…?」
地下室の扉を開け、お膳と、何やらポーチのようなものを手にした菅原が入ってくる。
「…あ、ありがとうございます」
「よっぽどその本、気に入ってんの?」
亜美が手にしていた本は、『母性という神話』だった。
「あ、いえ…ちょっと、もう一度最初から読み返してみようかと思って…もう返却期限ですか?」
「ううん。まだ大丈夫だよ。そっかぁ、亜美が読み終わったら僕ももっかい読んでみよーかなー。あ、そういえば…コレでいいんだよね?」
そう言って菅原は手に持っていたポーチを亜美に差し出す。
「はい…私あんまりお化粧しないんでアレですけど…でも、ママの使ってたやつも形見としてここに入ってるんで…」
「へぇ~。確かに亜美は、メイクなんかしなくても可愛いもんなぁ。これでがっつりメイクしちゃったらどうなっちゃうんだろ」
そのポーチは、亜美の化粧道具が入っており、ずっと亜美の部屋で放置されていたのを菅原がここへ持って来たのだ。
「…下地と、コンシーラー。で、これがファンデーション。あとこれがお粉で…えっと、アイブロウペンシル、これは眉マスカラ…かな?こっちがチークで、これとかこれがアイシャドウ…こっちがマスカラで、アイライナーが黒とブラウン…あとはハイライトに…うーんと、あ、リップとかはこっちに入ってますね」
亜美はポーチの中から、次々と化粧品を取り出し、それらをベッドの上に並べて行く。
「へぇ~…こんなたくさんあるんだ…ちなみにこれ、全部使うの?」
「い、いえ…私は使っても下地と…あとはチークとリップくらいですかね。あとはママの物です。学校はお化粧禁止だったし…だからあんまり詳しくは無いんですけど…」
「全然いーよいーよ。ふ~ん、やっぱ女って楽しそうだね。いいなぁ~。しかも亜美みたいに可愛く産んでもらえたら最高じゃん」
「…それは私には…何とも…」
その結果、こんな人生を歩むことになっても、最高だと言えるのだろうかと、亜美は思った。
「あ、なんか変なこと言っちゃったね。ま、気にしないで。おっけーありがと。じゃあひとまずこれはまた時間のある時に。そうそう、今日はさ、ちょっと面白い話があるんだけど…聞きたい?聞きたく無いって言っても話しちゃうけどね~」
「…何でしょうか…?」