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セイドレイ【完結】
第43章 箱庭
「あっ……ああっ……嘘っ……どうし…て………?」
トイレの扉を開けたその3人目の男の姿に、亜美は目を疑った。
それと同時に、便座に股を広げて局部を顕にしているその女の姿に、貴之もまた目を疑ったのだ。
「…亜美…なのか…?」
「………ぃゃ……見ないで……」
「…亜美?お、俺……」
「いやっ…来ないで………お願いっ………来ないでぇぇぇっ!!」
亜美は両手で顔を隠し、そう叫んだ。
「亜美っ……!!」
すると貴之は、泣きじゃくる亜美のカラダをーー
抱き締めた。
「……えっ?水野…くん?」
予想だにしていなかった貴之のその行為に、亜美は驚いて目を丸くする。
「…亜美……良かった………」
貴之がカラダを小刻みに震わせながら、耳元でそうつぶやく。
(水野…くん…?泣いてる…の…?)
「……会いたかった…。ずっと、ずっと……亜美に会いたかった……また……会えた……俺達、また…会えたっ……」
貴之はそう言って両手を亜美の肩に添えると、二人は顔を見合わせる。
あの優しげなタレ目いっぱいに涙を溜めた貴之が、今目の前に居る。
亜美がその身を呈して守ろうとした貴之が、そこにーー。
亜美はこの状況をどうにかしなければと思うも、何も言葉が出てこないばかりか身動きひとつ取ることができない。
(ど、どうして…?どうして抱き締めるの…?どうして何も聞かないの……?)
会いたかったーー。
貴之はそう言った切り、他には何も言葉を発することなく、ただずっと亜美を見つめている。
「…み、水野…くん?あのっ……私っ……」
亜美はやっとの思いでそう切り出してみるも、続く言葉が見当たらない。
「……何も…言わなくていいから。もう何も聞かない。もっと早くこうしてれば良かったんだ…」
「水野…くん……?」
「もっと早く……こうして亜美の全部を俺が受け止めていれば…そうすれば良かったのにっ…」
「そんなっ?!……そんなことっ……」
「…ごめんな。俺、亜美のこと分かってやれなくてっ…ごめんな。ごめんっ………うっ、うぅっ……」
貴之の目からポロポロと、大粒の涙が溢れ出す。
亜美はそれを、ただ黙ってじっと見ているしか無かった。
トイレの扉を開けたその3人目の男の姿に、亜美は目を疑った。
それと同時に、便座に股を広げて局部を顕にしているその女の姿に、貴之もまた目を疑ったのだ。
「…亜美…なのか…?」
「………ぃゃ……見ないで……」
「…亜美?お、俺……」
「いやっ…来ないで………お願いっ………来ないでぇぇぇっ!!」
亜美は両手で顔を隠し、そう叫んだ。
「亜美っ……!!」
すると貴之は、泣きじゃくる亜美のカラダをーー
抱き締めた。
「……えっ?水野…くん?」
予想だにしていなかった貴之のその行為に、亜美は驚いて目を丸くする。
「…亜美……良かった………」
貴之がカラダを小刻みに震わせながら、耳元でそうつぶやく。
(水野…くん…?泣いてる…の…?)
「……会いたかった…。ずっと、ずっと……亜美に会いたかった……また……会えた……俺達、また…会えたっ……」
貴之はそう言って両手を亜美の肩に添えると、二人は顔を見合わせる。
あの優しげなタレ目いっぱいに涙を溜めた貴之が、今目の前に居る。
亜美がその身を呈して守ろうとした貴之が、そこにーー。
亜美はこの状況をどうにかしなければと思うも、何も言葉が出てこないばかりか身動きひとつ取ることができない。
(ど、どうして…?どうして抱き締めるの…?どうして何も聞かないの……?)
会いたかったーー。
貴之はそう言った切り、他には何も言葉を発することなく、ただずっと亜美を見つめている。
「…み、水野…くん?あのっ……私っ……」
亜美はやっとの思いでそう切り出してみるも、続く言葉が見当たらない。
「……何も…言わなくていいから。もう何も聞かない。もっと早くこうしてれば良かったんだ…」
「水野…くん……?」
「もっと早く……こうして亜美の全部を俺が受け止めていれば…そうすれば良かったのにっ…」
「そんなっ?!……そんなことっ……」
「…ごめんな。俺、亜美のこと分かってやれなくてっ…ごめんな。ごめんっ………うっ、うぅっ……」
貴之の目からポロポロと、大粒の涙が溢れ出す。
亜美はそれを、ただ黙ってじっと見ているしか無かった。