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セイドレイ【完結】
第44章 鏡

「...そっかぁ。その話、信じちゃったんだね.....今まであの人に散々な目に遭わされてるのにそれでも信じちゃったのは、やっぱりその子を守りたいから、なのかな.....」
菅原はそう言うと、持って来ていた鞄の中から一冊の本を取り出し、亜美に手渡す。
「....これはっ......?!」
亜美はその手にした本のタイトルを見て、思わず血の気が引いたのだった。
『赤ちゃんの値段』
本の表紙には、確かにそう書かれている。
「...たまたま僕が知ってる本の中にちょうどいいのがあったから、借りて来たんだ。また時間ある時に読んでおくといいよ。まさか僕も、その本に書かれているようなことが身近に起こるなんて想像もしてなかったけど」
本を持つ亜美の手が震えている。
この本に書かれている内容がどんなものかはもちろんまだ知らない。
しかし、今この本を菅原が渡してきた意味を考えるとーー。
「...掻い摘んで話をすると、要は人身売買のことが書いてある。日本にもあるんだよ?建前は慈善事業、でもその裏で高額なお金をもらって、海外に赤ちゃんを売る不当な養子斡旋業者がね。日本の赤ちゃんは健康だから、高値で取引される。もう賢い君のことだから分かってると思うんだけど...会員の中に、そういう伝手がある人が居るんだ」
「...ちょ、ちょっと待ってください.....赤ちゃんを...売る?海外に?そんなこと...そんなことっ.!許されるわけっ...」
「...て思うよね。でも実際にあるんだからしょうがないよ。君のように望まない妊娠をして、中絶の期間を過ぎちゃった人達が主なターゲットなんだ。斡旋業者と産婦人科がグルになっていることもあるんだよ。まぁ、その本に詳しく書いてあるからさ」
「...つ、つまり...この子は....私の赤ちゃんはっ...海外の誰かにお金で買われるってことなんですかっ...?!」
亜美はそう言いながら、思わず腹を抱えて、中の子を護るような姿勢を取る。
「まぁ...残念ながらそうなっちゃうよね。新堂さんが過去にちょくちょく東南アジアとかに行ってたらしいけど、なんか元々そういう人身売買のことに興味があったんだって。すごいよね、あの人。普通はそんなことに興味なんか持たないよ、ははは」
菅原はそう言うと、持って来ていた鞄の中から一冊の本を取り出し、亜美に手渡す。
「....これはっ......?!」
亜美はその手にした本のタイトルを見て、思わず血の気が引いたのだった。
『赤ちゃんの値段』
本の表紙には、確かにそう書かれている。
「...たまたま僕が知ってる本の中にちょうどいいのがあったから、借りて来たんだ。また時間ある時に読んでおくといいよ。まさか僕も、その本に書かれているようなことが身近に起こるなんて想像もしてなかったけど」
本を持つ亜美の手が震えている。
この本に書かれている内容がどんなものかはもちろんまだ知らない。
しかし、今この本を菅原が渡してきた意味を考えるとーー。
「...掻い摘んで話をすると、要は人身売買のことが書いてある。日本にもあるんだよ?建前は慈善事業、でもその裏で高額なお金をもらって、海外に赤ちゃんを売る不当な養子斡旋業者がね。日本の赤ちゃんは健康だから、高値で取引される。もう賢い君のことだから分かってると思うんだけど...会員の中に、そういう伝手がある人が居るんだ」
「...ちょ、ちょっと待ってください.....赤ちゃんを...売る?海外に?そんなこと...そんなことっ.!許されるわけっ...」
「...て思うよね。でも実際にあるんだからしょうがないよ。君のように望まない妊娠をして、中絶の期間を過ぎちゃった人達が主なターゲットなんだ。斡旋業者と産婦人科がグルになっていることもあるんだよ。まぁ、その本に詳しく書いてあるからさ」
「...つ、つまり...この子は....私の赤ちゃんはっ...海外の誰かにお金で買われるってことなんですかっ...?!」
亜美はそう言いながら、思わず腹を抱えて、中の子を護るような姿勢を取る。
「まぁ...残念ながらそうなっちゃうよね。新堂さんが過去にちょくちょく東南アジアとかに行ってたらしいけど、なんか元々そういう人身売買のことに興味があったんだって。すごいよね、あの人。普通はそんなことに興味なんか持たないよ、ははは」

