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セイドレイ【完結】
第8章 終わりの始まり
「大体、生理くらいで大騒ぎしちゃってさ!兄貴が甘やかすからそれを利用しようとしたんだよこのメス豚は~」
「…ち、ちが…います……私は…お父様の帰りを待ってもいいと思っ…──」
そう弁明しかけたとき──。
亜美には、3人の男たちがまったく同じ顔をしているように見えた。
たった今まで仲違いしていたはずの3人が、この瞬間、共通の目的でつながったのである。
それは、「目の前の少女をこれから嬲り倒す」ということ。
そのたったひとつの目的によって、男たちに連帯感が生まれていたのだ。
亜美は、その異様なまでの迫力に圧倒され尻ごみしてしまう。
「す、すいません……でした。私が……ルールを破って……」
「ん~?違うよね?生理でおマンコできないのが我慢できなくて、アナルを犯して欲しくて兄貴を誘ったんだよねぇ?」
「ハ…イ……ウッ…ウゥッ……──」
惨めさにすすり泣く亜美へ、慎二がさらに追い討ちをかける。
「じゃあどうしてほしいの?ちゃんと自分で言えよ!」
「私の……ッ、ウッ…アナ……ルをっ……おか…犯っ、犯してくっ…ださいっ…ウッ、ヒックッ……──」
亜美のその言葉を聞き、満足気な表情で目配せをし合う3人の男たち──。
あたかも亜美が自らせがんで「おねだり」したかのような体を取るという、精神的な調教の常套句だろう。
そしてそれは確実に成果を上げはじめていたのだ。
亜美は、たとえ嘘でも「おねだり」など口に出すことに強い抵抗があったが、それも最初のうちだけだった。
次第に、言われたとおりに従っているほうがまだマシだということに気づく。
どのみち犯されてしまうのなら、下手に反抗的になって男たちを逆撫でするのは馬鹿げている、と──。
その一方、亜美は常に心の中で、これは言わされている、自分の意思ではない──と、念仏のように唱えていた。
そうすることで、必死に自我を保っていたのだ。
しかしたった今──。
男たちの顔を見た瞬間、一瞬だけだが、本当に自分に非があるかのように錯覚したのだ。
それはまるで、冤罪をかけられた容疑者が刑事からの取り調べに、やってもいない罪を認めてしまう感覚に似ていた。
抗うよりも、認めることで楽になりたい。
自分を責めた方が、いくらかマシに思えたのだった。
(私が…私が普通じゃないから……──)