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セイドレイ【完結】
第44章 鏡
「とっ、盗聴器っ...!??」

「ああ、そうとも。くくっ...実はこの部屋には2種類の盗聴器が仕掛けられているんだ。心配性の私は監視カメラの予算をケチって音声が拾えないことがどうしても気になってしまってね。酒井君に頼んで後から取り付けてもらったんだけど、正解だったよ、ははは」

地下室には、録音式と無線式の盗聴器が仕掛けられていた。

「もちろん、君達が馬鹿げたゲームに興じていたことも知っているし、今さっきの会話は扉の外からしっかりと聞かせてもらったよ。養子斡旋の話は運営側だけの機密事項だったはずだが...君を信じていたのに、私は残念でならないよ...」

「くっ.....!」

新堂と菅原の会話を、亜美は静観していた。
と同時に、久々に新堂という男の恐ろしさを再確認する。

近頃の新堂の動向が大人しかったのは、まさに嵐の前の静けさだったのかもしれない。

亜美は、内心取り乱しそうになるのを必死で堪え、頭をフル回転させていた。

盗聴器が仕掛けられた時期がいつ頃なのかは不明だが、酒井が設置したということは、恐らくこの地下室に戻って来てからのことだろう。

それから今日まで、この地下室にて誰かと交わした会話を、亜美は記憶を辿り思い返す。

本山とは、スマホについて。
雅彦とは、深夜にここへやってくる謎の男について。
菅原とはつい先程、先日トイレにて接触した庭師が貴之であることについて話した。

これら、全ての会話を新堂に聞かれていたということになる。


「...裏切り者が多くて人間不信になってしまいそうだよ。くくく。君達に聞きたいことは山のようにあるんだが...まずは何からにしようかねぇ...」

新堂がそう言いながら菅原ににじり寄ろうとした時ーー。


「.....亜美っ!!逃げろっ!!!」

突如、菅原は新堂に押さえかかると、そう叫んだ。

「.....菅原...さん?逃げろ、って.......?」

あまりに突然の出来事に亜美は事態が飲み込めない。

「...こ、こらっ!菅原君!?こっ、これは一体っ...何の真似だっ!??やめたまえっ!!」

抵抗を見せる新堂を、菅原は更に力でねじ伏せる。

「...いいからっ!亜美っ!!何やってんの!??早くっ...今のうちに逃げろっ!!でなきゃっ...君の赤ちゃんがっ.....」

(私の...赤ちゃん...!)
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