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セイドレイ【完結】
第45章 男達の晩夏
「...だからこその駆け引きだ。亜美が居なくなって今一番困るのはもうワシらじゃない、新堂だ。あらゆる手を使って探し出し、酒井の力も使ってワシらに制裁を加えようとするだろう。その時の為に証拠を集めておいて、あいつに脅しをかけるんだ。あいつがこのビジネスを畳むつもりが無いのなら、動画を全世界にばら撒くぞ、とな。とりあえず亜美の身柄さえ安全な場所へ匿うことが出来れば、あとはどうにでもなる。出産はワシか...健一、お前が居れば大丈夫だ。そうと決まれば、もうあまり猶予は無い。新堂のスケジュールの確認が取れ次第、日時を決めて実行に移す」

雅彦の、静かではあるが力強い声。
どうやらこの男は本気らしい、と本山は思っていた。
さすが、一人の少女の人生をめちゃくちゃにしただけの男ではある。

だが、使いっ走りの身ではあるものの、表向きは新堂側についている本山にとっては、この計画はいささか不都合なことも多い。

既に何もかも失った武田家の男達が、亜美を奪還することに熱意を傾けるのは良いだろう。
そしてそもそも、何も持たざる者である田中も、愛しの亜美を救い出すことに意義を見い出せるのかもしれない。

しかし、本山には家庭がある。
妻と3人の子供。そして教師という立場。

その立場を省みず、下半身の欲求のまま首を突っ込んだのは本山自身の責任には違いないのだが、それならば今日まで一体何の為に新堂の言いなりになって来たのだろうか、という身勝手な気持ちがどうしても沸き上がる。
亜美の監視を任され、その惨たらしい光景を間近で見ている本山は特に、亜美を救いたい気持ちと、逃げ切りたいという保身とが入り交じり、複雑な胸中を抱えていた。

落ち着かない本山は、ふとスマホを取り出し、何の気なしにGPSのアプリを起動する。

せめて、亜美のスマホの中身さえ分かれば、新堂に対して優位に立てるかもしれないーー。


その時だった。
スマホを眺めていた本山の表情が一変する。

「...すっ、すいません。今、たまたま高崎のスマホを追跡するアプリを起動してみたら...でっ、電源が入っていますっ!場所は.....えーと.....あっ!?こっ...この場所は...!」
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