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セイドレイ【完結】
第46章 日記
亜美のスマホの中にある『日記帳アプリ』。
その最初のページはこんな風に、夏休みが明けた二学期の2日目からスタートしていた。
今、深夜に貴之はこれを自分の部屋で見ている。
昼間、トメの家に押し寄せた雅彦達に見つからないよう、台所の勝手口から裸足で逃げてきた貴之。
スマホの外観や、電池パックの中に不審な箇所は見当たらない。
そこで、インターネットでしらみ潰しになって調べた結果、亜美のスマホにはホーム画面には表示されないGPSのアプリがインストールされているのではないかとの予測に至った。
しかし不用意に電源を入れてしまうと、また場所を特定されかねない。
それを避けるべく、恐らくGPSを仕掛けたであろう本山が眠っている深夜帯を狙って電源を入れた。
そしてスマホの中からそのGPSのアプリを見つけ出し、アンインストールすることに成功。
これで心置き無く電源を入れることが出来る...と、貴之はホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、最初に目に飛び込んで来たのがこの日記である。
二学期の2日目。
まだ貴之が亜美と出会う前の話だ。
のっけからその情報量の多さに貴之は早くも混乱する。
千佳の父である新垣太蔵が亜美の初めての「客」?
スマホを本山が契約??
本山とのセックスが日課???
トメとの出会いについても触れられているが、まさに今日昼間にトメから聞いた出来事そのものだろう。
貴之は既にめまいを覚える。
完全にカウンターを喰らった格好だ。
いや、ストレートかもしれない。
覚悟はしていたつもりだったが、亜美が言う「全て」に触れるということは、生半可な気持ちでは到底無理だ。
しかしーー。
この日記を読み進めて行くことで、少しでも亜美が抱えていた問題を知ることが出来るのなら。
亜美が託したメッセージを読み取ることが出来るのなら。
「...今度はもう、見逃さないからな」
貴之はスマホの画面に向かってそうつぶやくと、震えた指先で次のページをクリックした。
その最初のページはこんな風に、夏休みが明けた二学期の2日目からスタートしていた。
今、深夜に貴之はこれを自分の部屋で見ている。
昼間、トメの家に押し寄せた雅彦達に見つからないよう、台所の勝手口から裸足で逃げてきた貴之。
スマホの外観や、電池パックの中に不審な箇所は見当たらない。
そこで、インターネットでしらみ潰しになって調べた結果、亜美のスマホにはホーム画面には表示されないGPSのアプリがインストールされているのではないかとの予測に至った。
しかし不用意に電源を入れてしまうと、また場所を特定されかねない。
それを避けるべく、恐らくGPSを仕掛けたであろう本山が眠っている深夜帯を狙って電源を入れた。
そしてスマホの中からそのGPSのアプリを見つけ出し、アンインストールすることに成功。
これで心置き無く電源を入れることが出来る...と、貴之はホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、最初に目に飛び込んで来たのがこの日記である。
二学期の2日目。
まだ貴之が亜美と出会う前の話だ。
のっけからその情報量の多さに貴之は早くも混乱する。
千佳の父である新垣太蔵が亜美の初めての「客」?
スマホを本山が契約??
本山とのセックスが日課???
トメとの出会いについても触れられているが、まさに今日昼間にトメから聞いた出来事そのものだろう。
貴之は既にめまいを覚える。
完全にカウンターを喰らった格好だ。
いや、ストレートかもしれない。
覚悟はしていたつもりだったが、亜美が言う「全て」に触れるということは、生半可な気持ちでは到底無理だ。
しかしーー。
この日記を読み進めて行くことで、少しでも亜美が抱えていた問題を知ることが出来るのなら。
亜美が託したメッセージを読み取ることが出来るのなら。
「...今度はもう、見逃さないからな」
貴之はスマホの画面に向かってそうつぶやくと、震えた指先で次のページをクリックした。