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セイドレイ【完結】
第46章 日記
【12月〇日】

今日は二学期の終業式
壇上から見た景色の中に
水野くんの姿は無かった

私のせいだ
こんなにも彼を傷つけておきながら
私はのうのうと息をしている
ごめんなさい水野くん
私と関わったばかりに
ご両親まで傷つけてしまった
私は誰かを好きになる資格は無い

でも、おかげで決心がついた
この数ヶ月
私がやろうとしていたこと
実行すれば、また誰かを傷つける
それなら、私一人で背負い込んだ方が楽だもんね

だから、私はあの家で生きて行く
お父様と健一さんと慎二さん
天涯孤独の私が唯一家族と呼べる存在
居場所は自分で作るものだと
何かの本にも書いてあったっけ...

還らない人、戻れない場所
そんなものをいつまでも追っているから苦しいんだ
決して楽になりたいわけじゃないけど
誰かを傷つけるくらいなら
私は苦しいままで大人になりたい

私はお父様を許さない
でも、だからこそ簡単には離さない
お父様とセックスしていると
これが運命だったんだと納得できる
私達は2つで1つ
だから離れられない
やっとそれが分かったんだ

学校の帰りに寄り道をした
街はクリスマス一色
みんなサンタさんに何を願うんだろう

家族のみんなと、トメさん
そして...水野くんに
プレゼントを買ってみた

でも水野くんには渡せないかもしれない
こんな時にクリスマスプレゼントなんて
お気楽なことしてる場合じゃないし
そもそも欲しく無いよね
汚れたお金で買った物なんて...

本屋で妊婦さんに会った
7ヶ月って言ってたっけ
私のお腹に宿ってくれた子は
本当にかわいそうだなって思う
次はちゃんとしたお母さんのところに
行けますように...

サンタさんお願いします

明日から冬休み
年内最後にトメさんに会いたかったけど
今日は病院かな?
プレゼント、喜んでくれるかな...

この冬休みの間に
きっと何かが大きく変わる気がする
水野くんごめんなさい
私はあなたの幸せを願っています
これは本当だからね

あなたの太陽のような笑顔は
私には眩しすぎて
私の全てを照らそうとしてしまう

だから一緒には居られない
これもまた運命なんだね

運命って、便利な言葉だな...

年内最後の日記です
ここまで頑張って書いて来た自分を
少しだけ褒めてあげたいと思います
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