この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
セイドレイ【完結】
第46章 日記
「...アイスコーヒー。ガムシロ抜きで。君は...?遠慮なく、何でも頼んでくれ」
「じゃあ.....メロンソーダください」
『かしこまりました』
日曜日の朝の喫茶店は、付近住民の常連で賑わっている。
「...久しぶりだな。君は元気だったか?」
雅彦が貴之に声をかける。
「そういうのはいいです。早く話をしてください」
「そ...そうだな。すまん。では、単刀直入に言おう。亜美のスマホを君が持っているはずなのだが...それをワシにも見せて欲しい」
やはり、と、貴之は心の中で思う。
しかし、何を根拠に貴之が所持していると雅彦は言っているのか。
証拠が無い以上、シラを切り通すこともできる。
「...俺が持っているっていう...証拠は?」
貴之は雅彦に問いかけた。
「...男の勘、という奴だな。昨日、トメという婆さんの家で、男物のスニーカーを見た。証拠はそれだけだ。その後、スマホに仕込んでいたGPSのアプリは反応しなくなったからな」
「...それだけで、それだけで俺が持っていると判断した?」
「...ああ。ワシの勘違いなら先に謝っておく。どのみち君には話しておきたいことがもう一つある。スマホの件はどちらでも構わんよ...」
「あんた、嘘つきだからな。信じろって言う方が無理がある」
「ほう...。では何故、ここへ来た?君もワシに話したいことがあるんだろう?是非聞かせてくれ」
まるで一進一退の攻防のような会話が繰り広げられる。
男同士、一人の女を懸けた争いのように。
先に闘いの火蓋を切ったのは、貴之だった。
「スマホ、俺が持ってますよ。中身も全部見ました。だから、俺はもう騙されない。あんた達が亜美にしてきたこと、全部知ってます。あの家に地下室があること、そこで亜美がどんなことをされていたのかも」
「.....やはり、そうか」
「やはり?あっさり認めんのかよ。...あんたはこのスマホがあると困るんだろ?ここに書かれていること、保存されたデータ、こんなことが誰かに知られたら大変だからな。それでゾロゾロ引き連れて、トメさん家に行ったんだろ?違うのかよ?」
「...ああ。その通りだ。ぐうの音も出んよ」
「けっ...開き直りかよ。一番タチが悪ぃ」
「...君はそのスマホを持って、どうしたいと思った?亜美の本当の願いを叶えてやってくれ...」
「じゃあ.....メロンソーダください」
『かしこまりました』
日曜日の朝の喫茶店は、付近住民の常連で賑わっている。
「...久しぶりだな。君は元気だったか?」
雅彦が貴之に声をかける。
「そういうのはいいです。早く話をしてください」
「そ...そうだな。すまん。では、単刀直入に言おう。亜美のスマホを君が持っているはずなのだが...それをワシにも見せて欲しい」
やはり、と、貴之は心の中で思う。
しかし、何を根拠に貴之が所持していると雅彦は言っているのか。
証拠が無い以上、シラを切り通すこともできる。
「...俺が持っているっていう...証拠は?」
貴之は雅彦に問いかけた。
「...男の勘、という奴だな。昨日、トメという婆さんの家で、男物のスニーカーを見た。証拠はそれだけだ。その後、スマホに仕込んでいたGPSのアプリは反応しなくなったからな」
「...それだけで、それだけで俺が持っていると判断した?」
「...ああ。ワシの勘違いなら先に謝っておく。どのみち君には話しておきたいことがもう一つある。スマホの件はどちらでも構わんよ...」
「あんた、嘘つきだからな。信じろって言う方が無理がある」
「ほう...。では何故、ここへ来た?君もワシに話したいことがあるんだろう?是非聞かせてくれ」
まるで一進一退の攻防のような会話が繰り広げられる。
男同士、一人の女を懸けた争いのように。
先に闘いの火蓋を切ったのは、貴之だった。
「スマホ、俺が持ってますよ。中身も全部見ました。だから、俺はもう騙されない。あんた達が亜美にしてきたこと、全部知ってます。あの家に地下室があること、そこで亜美がどんなことをされていたのかも」
「.....やはり、そうか」
「やはり?あっさり認めんのかよ。...あんたはこのスマホがあると困るんだろ?ここに書かれていること、保存されたデータ、こんなことが誰かに知られたら大変だからな。それでゾロゾロ引き連れて、トメさん家に行ったんだろ?違うのかよ?」
「...ああ。その通りだ。ぐうの音も出んよ」
「けっ...開き直りかよ。一番タチが悪ぃ」
「...君はそのスマホを持って、どうしたいと思った?亜美の本当の願いを叶えてやってくれ...」