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セイドレイ【完結】
第46章 日記
「亜美の本当の...願い...だって?」

一向に反論しないばかりか、むしろ消極的な態度を見せる雅彦に貴之は困惑する。

「.....亜美からは、何もするな、って。無事に赤ちゃん産みたいから、何もするなって...そう言われた」

「...亜美に会ったのか?」

「ああ。実はあんたにも会ってる。俺、今庭師なんだ。あんたんとこの病院と屋敷の庭手入れした時、トイレで会ったよ。...俺の親方や先輩を誘惑して.....亜美にあんなことまでさせて、一体あんたら何がしてぇんだ!?」

それは雅彦の知らない事実だったが、否定はしなかった。
恐らく菅原の仕業だろうとは思ったが、元を正せば全ての元凶は雅彦にあるからだ。

「そうか。もう何も言うまい。全てはワシの責任だ。亜美を地獄の底に突き落としたのは、他でも無いワシの身勝手な欲求のためだ...」

雅彦はそう前置きした上で、現在亜美が置かれている状況についての詳細を貴之に説明した。

貴之にとっては、日記で触れられている以降の情報を知り得ることになったのだが...。

「...それって結局、おっさん同士くだらねぇ意地の張り合いしてるだけだろ?それに亜美を巻き込むなよ。新堂のせいで自分の立場が弱くなったからって、今更.....」

貴之が言いかけたその時、雅彦は突如、席から立ち上がる。
そしてそのまま横にズレると、喫茶店の通路に膝をついて、土下座の姿勢を取った。

周囲の客達の視線が、一斉に2人に集中する。

「お、おいっ!?おっさん...なんのつもりだよ!?ちょっ...やめろって!おい...人が見てんだろ...??」

「...水野君。許してくれなんて言わん。そのスマホは亜美が君に託した。だから君のしたいようにしてくれて構わん...だがっ...だがっ.....もし.....もしっ.....ワシが全てを賭けて、亜美をあの地下室から解放してやることができたらっ.....その時は、君が亜美の隣りに居てやってはくれないだろうかっ...!頼むっ.....この通りだ.....」

「おっさん.....」

大柄な還暦を迎えた大人が、16歳の少年に頭を下げている。
恥も外聞も、何もかもを捨てて。

「わ、分かったから...話聞くから。とりあえず頭あげてくれよ...なんか俺の方が恥ずかしいじゃないすか.....」

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