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セイドレイ【完結】
第8章 終わりの始まり
その日を境に、亜美はより従順になっていった。
生理が終わって膣への挿入が再開されると、さらにそこへアナルセックスまでもが加わり、ほぼ毎日のように2穴を犯されることとなった亜美。
日毎にエスカレートしていく行為の中で、亜美には "とある感覚" が芽生えていた。
("あの女" は私であって、私じゃない──)
普通の高校生として学校で過ごす自分と、性玩具として扱われる家での自分。
どちらのときにも、常に反対側の自分自身が亜美を苦しめていた。
そんな強いストレスの中で、自己防衛として亜美が導き出した答えは、"もう一人の自分" を造り出すことだった。
好きでもない男たちに陵辱されながらもオーガズムに達するような "淫乱女" は、顔と名前が同じであるだけで、まったくの "別人" なのだと──。
そう思い込むようにしてからは、学校でも少しずつ明るく振る舞えるようになってきた。
その一方で、家では毎日男たちの尽きることのない性欲を、口で、性器で、尻穴で受け止めるもうひとりのの自分。
それぞれの自分は、お互いの人生に関与することはない。
だって、まったくの別人なのだから──。
それでいい。
それですべてうまくいく。
とりあえず、今のところは────。
(あんな女、私じゃない。あんないやらしくて、汚くて、最低な女)
亜美はそうやって "もう一人の自分" をとことん蔑むことで、あれが自分であるわけがない、と言い聞かせた。
そんなもの、ただの現実逃避だと言ってしまえばそれまでだろう。
しかし今の亜美にとって、それは地獄の深淵で自分自身が編み出した、唯一の生きていく術だったのだ。
もうじき夏休みに入る。
そうなれば、必然的に家で過ごす時間が増えるということ。
どんな毎日になるかを想像するのは容易だったが、これも他人のことだと思えば問題ない。
こうして、亜美なりにこの地獄の日々のやり過ごし方をようやく見つけたかのように思えていた矢先──。
"もうひとりの自分" のカラダに、異変が起こったのだった。