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セイドレイ【完結】
第47章 夜明けまえ
「後悔.....ですか...」

確かに、女にさえ生まれていなければ、こんな人生を歩むことにはならなかっただろう。
そのことを悔いることはあっても、女に生まれたこと自体を後悔したことは、亜美には無かった。

自分が自分であることを呪いたくなったことは何度もある。
しかしあくまでそれは意識の問題であり、性別には直結しない。

「だから...僕は...自分が女に.....なれない...なら、女が一番...傷つくことを.....しよう、って思った..。女の人に...女に生まれたことを...後悔させてやる、って...ある時...そう...思った...んだ。そうやって...自分が男である...ことを...肯定...したかった.....でもっ.....」

「でも...?」

「君は...違ったね...?一緒に居て...分かったよ...。君は...君って人は.....男達がどんなに...束になってかかろう...と、真っ白な...まんまだっ...」

「そ、そんなこと...私は現に...もう汚れ切って...」

「違う...よ?....あんな男達...くらいじゃ...君の心は.....黒く染まったり...しな...い」

「私の...心...?」

「そう...さ。君の...魅力は.....その可愛い顔でも.....綺麗なカラダでも...無い。何色にも染まったりしない...心。その心...こそが.....君を何より美しく...する...んだ」

「そんな.....だって.....だって私は...もう...」

「僕は...君に会えて...よかった。君みたいな...女が...居てくれたから...もう...女になりたいなんて.....思えなく...なったよ...?」

そう言うと、菅原はやっとの思いで顔を上げる。
痛々しい傷から流れ出した血が、菅原の顔を赤く染め上げている。

「はは...酷い.....顔...だね」

壁に張られた鏡に写った自身の顔を見て、菅原はそう呟いた。

「亜美...ごめん...ね。で...も...最後まで.....諦めるな。だって.....君の...今君のお腹の中に居る...赤ん坊は.......」

その時だった。

地下室の扉が開く音と同時に、酒井が入って来る。

「...よぉ?ちょっと元気になった途端、また余計なことばかり喋りやがって...」
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