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セイドレイ【完結】
第47章 夜明けまえ
酒井が菅原の元へ近づいて来る。
そして拳を振り上げ、酒井を殴打しようとしたその時ーー。
「やめてくださいっ!!」
亜美はそう叫ぶと両腕を開き、まるで盾になるかのように菅原の前に立つ。
「おっ!...とぉ...危ねぇ危ねぇ。お前をぶん殴るところだったじゃねぇか...。へぇ、何の真似だ?亜美。...どけよ」
「どきませんっ...!どうしてもって言うなら...私を...私を殴ってくださいっ!」
「亜...美...?」
菅原は、自分の盾になろうとする亜美の背中を見つめる。
小柄で、か弱そうな小さな背中。
しかし、それは菅原が今まで見てきた誰よりも大きな背中に見えた。
「...わーったわーった!はいはい、何のドラマだよこれ。そこのオカマ野郎の目覚めに一発ぶん殴ってやろうかと思っただけだよ」
「...オカマ野郎...なんかじゃありませんっ!」
「...あ?亜美...どうした?」
「ちゃんと...ちゃんと菅原拓真っていう立派な名前があるんです。菅原さんは...オカマ野郎なんかじゃありませんっ...!」
亜美は何故、今こんな思い切った行動に出ているのか自分でも分からなかった。
「...わーったよ。だからそんな怖い顔すんな...な?可愛い顔が台無しだぜ?俺はこいつを解放しに来たんだよ。新堂さんからお許しが出たからな。ありがたく思えよこのオカマ...おっと...オカマじゃねぇな。菅原くん?」
酒井はそう言うと、菅原の四肢から拘束具を外して行く。
そのまま倒れ込む菅原を酒井は受け止め、肩に担いだ。
「...この後客が入ってんだろ?こいつが居ると目障りだろうからな。大丈夫だ。もう殴ったりしねぇから。さ、亜美。そろそろ準備しとけよ...」
「...はい。分かり...ました」
酒井は菅原を担いだまま、地下室を出て行く。
(菅原さん.....最後、何を言おうとしてたんだろう.....)
諦めるな、菅原はそう言った。
それは何に対してだろうか。
(私だって...諦めたくは無い...でも.....でもこんな状況じゃ.....もうどうにも.....)
そして拳を振り上げ、酒井を殴打しようとしたその時ーー。
「やめてくださいっ!!」
亜美はそう叫ぶと両腕を開き、まるで盾になるかのように菅原の前に立つ。
「おっ!...とぉ...危ねぇ危ねぇ。お前をぶん殴るところだったじゃねぇか...。へぇ、何の真似だ?亜美。...どけよ」
「どきませんっ...!どうしてもって言うなら...私を...私を殴ってくださいっ!」
「亜...美...?」
菅原は、自分の盾になろうとする亜美の背中を見つめる。
小柄で、か弱そうな小さな背中。
しかし、それは菅原が今まで見てきた誰よりも大きな背中に見えた。
「...わーったわーった!はいはい、何のドラマだよこれ。そこのオカマ野郎の目覚めに一発ぶん殴ってやろうかと思っただけだよ」
「...オカマ野郎...なんかじゃありませんっ!」
「...あ?亜美...どうした?」
「ちゃんと...ちゃんと菅原拓真っていう立派な名前があるんです。菅原さんは...オカマ野郎なんかじゃありませんっ...!」
亜美は何故、今こんな思い切った行動に出ているのか自分でも分からなかった。
「...わーったよ。だからそんな怖い顔すんな...な?可愛い顔が台無しだぜ?俺はこいつを解放しに来たんだよ。新堂さんからお許しが出たからな。ありがたく思えよこのオカマ...おっと...オカマじゃねぇな。菅原くん?」
酒井はそう言うと、菅原の四肢から拘束具を外して行く。
そのまま倒れ込む菅原を酒井は受け止め、肩に担いだ。
「...この後客が入ってんだろ?こいつが居ると目障りだろうからな。大丈夫だ。もう殴ったりしねぇから。さ、亜美。そろそろ準備しとけよ...」
「...はい。分かり...ました」
酒井は菅原を担いだまま、地下室を出て行く。
(菅原さん.....最後、何を言おうとしてたんだろう.....)
諦めるな、菅原はそう言った。
それは何に対してだろうか。
(私だって...諦めたくは無い...でも.....でもこんな状況じゃ.....もうどうにも.....)