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セイドレイ【完結】
第47章 夜明けまえ
「まぁあくまで予想、でしか無いけどな。でもかなりイイ線行ってると思うぜ。新堂のおっさんがいつの時点でこれを思いついたかは分かんないけど...でも、これでビジネスのサイクルが完成した、って感じがする。何でもアリ、妊娠上等の性的サービスを餌に会員達から金を巻き上げる。出来た子供は養子斡旋団体を通して他人の手に渡る。もしかしたら、今後は金に困ったり事情を抱えた女を他に見つけて来て、亜美と同じように性奴隷にする計画もあるかもしれない...まぁ、これは考え過ぎかもしれないけど...」

「いや...新堂のことだ。考え過ぎなくらいでも足りないだろう。確かに、亜美がいつまでもああしていられるかの保証も無い。そうなれば何か他の手を打つことも考えているかもしれないな...。今のこの日本で、あいつは『赤ちゃん製造工場』でも築くつもりなのかもしれん。しかし、もう金なら腐るほどあるだろうに。となると何か執着のようなものさえ感じるな...まぁ、ワシが言える立場では無いが...」

健一が得た情報により、新堂が描く恐ろしい計画の骨子が浮かび上がってくる。
ならば尚のこと、早急に事を進めなければならない。

「そう言えば...親父。スマホの件はどうなったんだ?」

「あ?...ああ。それなんだが...一応、今ワシが持っている...」

「おお...!マジかよ!?ってことはやっぱりあのガキが持ってたんだな?でも...よくすんなり親父に手渡したよな...あいつ、結構頑固だからさ」

「うむ...まぁ、すんなりとは行かなかったが.....」

ここで雅彦は、昼間に貴之と交わしたやり取りについて健一に説明する。

「へぇ...。そいつは意外だな。で、親父はもう...その中身は確認したのか?」

「い、いや...まだだ...今日は時間が無くてな。この後帰ってからゆっくり見ようと思っているんだが.....」

いざ、亜美から自分に対しての想いが綴られていると思うと、雅彦の中に見てみたい気持ちと見ない方がいいのではという気持ちが同居していた。

「そっか。まぁ、気が向いたら俺にも見せてくれよ。俺のこと、ボロクソ書いてあるだろうな...でも、慎二よりはマシだと願いたいぜ...」
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