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セイドレイ【完結】
第47章 夜明けまえ
幸い、今日の客はグダグダと長居するタイプだ。
少しでも時間を稼ぐことが出来れば、その分多くのデータをコピーすることができる。
「へっ...高崎に感謝しねぇとな.....」
本山はそう思いつつ、果たしてこんな計画がうまく行くのだろうかと考える。
「...そういや高崎のスマホ...結局どうなったんだ...?」
:
:
ちょうどそんな頃、入浴を済ませた雅彦は寝室のベッドで亜美のスマホを眺めていた。
貴之が言っていた通り、そこには昨年の9~12月下旬までの日々が綴られている。
日記を読み進めて行くうちに、雅彦はあることに気づく。
あくまでこれは、本当にただの『日記』なのだということに。
というのも、雅彦は当初、亜美はこのスマホに『証拠』をしたためているものと思っていた。
雅彦をはじめ、会員達がこれまで亜美にしてきた陵辱の記録を残し、このスマホを持って警察に駆け込むためだろう、と。
しかし...それにしては。
簡素な文体でありながら、亜美の複雑な胸中があまりにも赤裸々に記されているのだ。
仮にこれを証拠として残したいのなら、亜美は自分にとって不利な記述は避けるべきだろう。
陵辱されていたことは紛れもない事実であり、それを如何に証拠として残すかが大事だからだ。
雅彦は近頃、実の娘をレイプした父親が裁判で無罪になるというニュースをテレビで見た。
合意があったのかどうか、拒否できる関係性だったのか...等々、そもそも未成年、しかも実の娘を手にかけるという事実がありながらも、裁判ではそのようなことが争点になり得るのだ。
では、亜美の日記はどうだろう。
確かに、その日セックスした男の名前と肩書き、そしてどんなことをされたのかは書かれている。
しかし、それについて自身のカラダに起きた変化や、揺れ動く感情、相手の男に対する気持ちなどが正直に綴られていた。
ある日などは、自分から求めてしまった事に対して後悔するような記述もある。
一方で、雅彦ら男達に対する恨みつらみはあまり見当たらず、あくまでその日に起きたこと、それについて感じたことが中心になっているのだ。
亜美がどこまで、何を考えてこの日記をしたためていたのかは分からない。
だからこそ、この日記はどこか、読む者の心を抉るような凄みがあった。
少しでも時間を稼ぐことが出来れば、その分多くのデータをコピーすることができる。
「へっ...高崎に感謝しねぇとな.....」
本山はそう思いつつ、果たしてこんな計画がうまく行くのだろうかと考える。
「...そういや高崎のスマホ...結局どうなったんだ...?」
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ちょうどそんな頃、入浴を済ませた雅彦は寝室のベッドで亜美のスマホを眺めていた。
貴之が言っていた通り、そこには昨年の9~12月下旬までの日々が綴られている。
日記を読み進めて行くうちに、雅彦はあることに気づく。
あくまでこれは、本当にただの『日記』なのだということに。
というのも、雅彦は当初、亜美はこのスマホに『証拠』をしたためているものと思っていた。
雅彦をはじめ、会員達がこれまで亜美にしてきた陵辱の記録を残し、このスマホを持って警察に駆け込むためだろう、と。
しかし...それにしては。
簡素な文体でありながら、亜美の複雑な胸中があまりにも赤裸々に記されているのだ。
仮にこれを証拠として残したいのなら、亜美は自分にとって不利な記述は避けるべきだろう。
陵辱されていたことは紛れもない事実であり、それを如何に証拠として残すかが大事だからだ。
雅彦は近頃、実の娘をレイプした父親が裁判で無罪になるというニュースをテレビで見た。
合意があったのかどうか、拒否できる関係性だったのか...等々、そもそも未成年、しかも実の娘を手にかけるという事実がありながらも、裁判ではそのようなことが争点になり得るのだ。
では、亜美の日記はどうだろう。
確かに、その日セックスした男の名前と肩書き、そしてどんなことをされたのかは書かれている。
しかし、それについて自身のカラダに起きた変化や、揺れ動く感情、相手の男に対する気持ちなどが正直に綴られていた。
ある日などは、自分から求めてしまった事に対して後悔するような記述もある。
一方で、雅彦ら男達に対する恨みつらみはあまり見当たらず、あくまでその日に起きたこと、それについて感じたことが中心になっているのだ。
亜美がどこまで、何を考えてこの日記をしたためていたのかは分からない。
だからこそ、この日記はどこか、読む者の心を抉るような凄みがあった。