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セイドレイ【完結】
第48章 罪と罰
「どうしたんだよ急に?慌てて出てきたから風呂にも入れなかったじゃん!」

「...お前が風呂に入るとは...頭でも打ったのか!?...いやいや、すまん急に呼びつけて...」

深夜のファミリーレストランで落ち合う雅彦と慎二。

「兄貴は何度も電話したけど出ない。多分あのババァの婚約者と一緒に居るんじゃね?田中さんに連絡したら水野と一緒に居たみたい。だからもうじき来ると思うよ...」

「...助かる。とりあえず2人が来るのを待つとするか...」

そうこうしていると、遅れて田中と貴之が到着する。

「す、すいません遅くなって...借りたアパートから向かったんで時間が掛かっちゃって...」

「いや、気にするな。ワシらも今着いたところだ。急に呼び出してすまない」

「...あれ?健一さんと本山先生は...?」

「あぁ。健一は知らん。だが本山先生は今日ここには来られない。実はさっき...」

雅彦は、先程の地下室での出来事を3人に説明する。

「マジか...。それって控え目に行ってヤバくね?」

「あぁ。まずいことになった。幸い、ワシらの計画はバレていないようだが、新堂は勘づいているし、時間の問題だろう。そこで、皆に確認を取っておきたかったんだ」

「確認...ですか?」

田中が不思議そうな顔をする。

「そうだ。もう二の足を踏んでいる時間は無い。準備出来次第、今ある動画を全て『セイドレイ』にアップロードする」

『えっ...!?』

慎二と田中は驚きの表情を浮かべる。
貴之はそんな2人の反応を黙って見つめていた。

「本山先生があんなことになった。それから先日、うちの病院の菅原君も、亜美を逃がそうとして酒井から暴行を受けている。ワシらもいつまでこうして居られるかは分からん...!」

「亜美を...逃がそうとした...?」

「あぁ。詳しい経緯は知らんが。ただ、彼の話から他にも分かったことがある。これは健一からの情報で大方予想はしていたんだが、確信に変わった。新堂...あいつは亜美に産ませた赤子を売るつもりだ。闇の人身売買のルートでな」

「人身...売買っ!?」

それまで静観していた貴之の顔色が一変する。

「そうだ。最初からあいつはそのつもりだったんだ...」
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