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セイドレイ【完結】
第49章 業火
「...よく耐えているな。普通の女なら1分と持たない痛みだろう。そこまでして『隠したい何か』があると、白状しているようなものだ...なぁ雅彦。そうは思わんか?」

新堂はそう言って、雅彦の肩をポンポン、と叩く。

「貴様っ...!!」

「スマホが今どこにあるかを言いさえすれば、この痛みから解放されるというのに...全く、何をそんなに我慢する必要があるというのか...理解に苦しむ」

新堂は、亜美にスマホの所在を吐かせる為、このような拷問を行っていたのだ。

亜美が隠したいのは恐らく、スマホの在り処では無い。
それを今持っている貴之を守りたいのだ。

一度は雅彦の手に渡った亜美のスマホは、その後再び貴之の元へ戻った。
一連の流れを知らない亜美だが、結果的に今スマホを持っているのは貴之である。

だからこそ雅彦は悩んでいた。
ここで全てを白状してしまえば、亜美を襲う苦痛から解放してやることはできる。
しかし、それはあくまで一時的な痛みからの解放であり、何もかもを新堂に知られることになれば、結果的に亜美は更に傷つくことになる。

動画は3日前、『セイドレイ』に公開した。
そろそろ騒ぎになっていても良い頃だと雅彦は思う。
警察が動かなくとも、世の中を動かすことさえできれば...。

スマホを貴之に託したのは間違いではなかったが、貴之と連絡が取れないこの状況でそれを新堂に悟られる訳にはいかない。

と同時に、新堂こそよっぽど焦っているのだろうと雅彦は感じていた。
雅彦への当てつけであるにしろ、ここまでしてスマホの所在を知りたがっているということは、確実にそれを恐れていることへの裏返しだ。

いくら公安の酒井が右腕とはいえ、ひとたび何か問題が起これば当然リスクを背負うことになり、何もかも酒井一人の手で処理できるわけでも無いだろう。
新堂の脅しは、雅彦らの自首を封じるためのものであり、不安な要素は全て排除しておきたいという表れなのだ。

三角木馬に跨り泣き叫ぶ亜美の姿を目の当たりにしながら、雅彦は決断を迫られていた。

ここでしくじれば、もう二度と亜美を救い出すチャンスは無いかもしれないーー。
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