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第49章 業火

「...おっさん、よ～く見とけよ？自分の愛した女がブッ壊れんのをよぉ！！」

酒井がそう言って、亜美から2、3歩後ずさりすると、拳を構えてシャドーボクシングをし始めた。

「お、おい...貴様、何をするつもりだっ.....？」

雅彦は声を震わせ、酒井に問いかける。

「ｼｭｯ、ｼｭｯ...んー？だから見とけって。今から取っておきのをこいつの腹にお見舞いしてやんだよ、ｼｭｯ、ｼｭｯ！」

「よせ.....やめろっ.....」

「じゃーカウントダウン行っきまーす！さーん...にーい...」

「やめてくれ...！！頼むっ...！！！！」

「いーち、ドーン！！」


「やめろおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！！！！！！」


酒井の拳が亜美の腹へ繰り出されるのが、雅彦にはまるでスローモーションのように見えた。

堪らず雅彦は、顔を背け目を閉じ、歯を食いしばる。

しかしーー。


「うっ.....うぅぅぅっ...........う.......」


聞こえて来たのは、亜美の微かなうめき声だった。

雅彦は恐る恐る目を開ける。


酒井の拳は、亜美の腹の寸での所で止められていた。


三角木馬がめり込んだ亜美のワレメから、大量に流れ出す聖水。
それまで痛みで強ばっていたカラダは脱力し、周りに居た男達がそれを慌てて支えている。

どうやら亜美は恐怖とショックのあまり、失禁しながら失神してしまったようだった。

「...あ～あ～。ちょっとやり過ぎたか？すっかりお漏らし癖がついちまってどうしようもねぇなこりゃ...。しゃーなし、下ろしてやるか...」

酒井はそう言うと、他の男達と共に亜美を木馬の上から下ろし、床に敷かれたマットに寝かせた。

真っ赤に腫れた亜美の陰部。
相当な痛みだったに違いない。

雅彦がぼう然としていると、横からすすり泣く声と鼻を刺す臭いが漂って来る。

「うっ...うぇっ、ﾋｯｸ.....うぇっ、ううっ.....」

あまりの恐怖だったのだろう。
田中は涙を流し、失禁していたのだった。

健一と慎二、そして本山も憔悴仕切っている様子だ。


「うげぇ！？テメーは漏らしてんじゃねぇぞキッタねぇなぁ！！」

酒井が田中に蹴りを入れる。
床に転がる田中のそんな姿を見て、周りを取り囲む会員達がせせら笑っていた。