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セイドレイ【完結】
第49章 業火
「まーまー。そんな驚かなくても。それに、今夜はまだまだ物足りないんじゃないですか?焦って帰らなくても、もっとゆっくりしてっていいんですよ...?」

どこか飄々とした口調でそう言った菅原の手には、18リットル容量のポリタンクが持たれていた。

「き、君っ...何の真似だっ...!?それに...この臭いは.....」

菅原にただならぬ恐怖を感じた会員の男は、すぐさま部屋の外に充満する異臭に気づく。

「ピーンポーン♪正解です。ガソリン撒いちゃいました。良かったら見ていきます?まさに現代の『吉原炎上』を...なんちゃって」

「なななな何を言っているんだっ!?...こいつ、狂ってやがるっ!わ、私は失礼するぞっ!面倒なことは御免だっ...!」

そう言って、2人の会員は逃げるようにして地下室から出て行った。

「...なんだ。残念だなぁ」

地下室を見渡すと、依然多数の会員達がまだ裸や半裸の状態で、ロッカーの前でちんたらと談笑している。
更に2名程は、時間の許す限り亜美の膣内と口内に精を放とうと腰を振っていた。

新堂はイライラしている様子で気が散っており、酒井は部屋の奥で誰かと通話をしている。
雅彦ら5人は背を向けており、誰も菅原の姿に気づいていない。

「...さーて、と。ふぅ」

菅原は短く深呼吸をすると、部屋の床にポリタンクからドバドバとガソリンを撒き始める。

「...ん?なんだ...この臭い.....」

一人の会員が異臭に気づき、臭いのする方へ目をやる。

「...お、おい!?あいつ一体...何やってるんだ!?」

他の会員達も一斉に菅原へ注目する。

「しっ、新堂さんっ!新堂さんっ...!?」

異変に気づいていない新堂へ、会員が声をかける。

「...はい?なんでございましょうか......って、なっ!?菅原君っ!?何をやっているんだ!?」

ようやく菅原に気づいた新堂。
雅彦ら5人も一斉に後ろに振り向く。

「...あ、バレちゃいましたね。ま、いっか。何をやってるって、見ての通りガソリン撒いてるんですよ。新堂さんって老眼でしたっけ?」

「...おいおい待てっ!?菅原君、いいか?落ち着くんだ...どうした?何があった?私が話を聞いてやるから...一旦手を止めなさいっ!!」

「...話?ははっ。別にあんたに聞いて欲しいことなんてないですよ」
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