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セイドレイ【完結】
第49章 業火

「...おとうさま...お父様っ!?菅原さんがっ...菅原さんが燃えちゃうっ!!」
「あ、あぁ...だがしかしっ.....クソっ...!!」
亜美と雅彦が菅原を置いて逃げることに躊躇していると、燃え盛る炎の向こう側から菅原の声が聞こえてくる。
「...亜美?いいかい?君は何があっても...ゲホッ...その子『達』を産むんだっ...ゴホッゴホッ...」
「その子...『達』って...?」
「ゲホッゲホッ.....き、君のお腹に居る赤ちゃんはっ...双子...なんだよ...?僕と同じ...双子のっ.....赤ちゃん...なん...だっ...」
「...そんなっ...!?」
腹の子の胎児についての情報を一切知らされていなかった亜美は、その事実に驚愕する。
「...だからっ、ここから逃げてっ...生きて、生き抜けっ...元気なその双子の赤ちゃんをっ...ゲホッゲホッゴホッ...産むんだっ...たとえ、将来その子供に...どれだけ恨まれようとっ.....どれだけ責められようとっ...ゲホッ...君は、その子達を護り抜くんだっ...!!だから行けっ!!!!早くっ!!」
「待って...!菅原さんっ...待って.....お願いっ!!死んじゃ嫌っ.....ダメっ...」
「...ありがとう。亜美。こんなことになるなら、もっと早くにお化粧してもらっとくんだったなぁ...」
雅彦達の場所からは、新堂や酒井の様子も分からない程に火の手は勢いを増していた。
「...ぐっ...菅原君.....すまないっ!」
雅彦はそう言うと、泣きじゃくる亜美を抱え、地下室から脱出する。
「いやああああ!!ダメえええええ!!菅原さんがっ...!菅原さあああああああん!!いやああああああああああ!!!!」
菅原の姿が炎に包まれて見えなくなるのを、亜美は必死で掴もうとその手を伸ばしていた。
既に火の手は地上まで到達する勢いだ。
古い木造の日本家屋であるが故、火の手が回るのが早い。
雅彦は亜美を煙から庇いながら、どうにか1階までたどり着く。
腕の中で、亜美はまだ菅原の名を叫び続けているが、今から戻ることはもう不可能だ。
しかし、そのまま雅彦は外へ逃げるのかと思えば、亜美を抱えたまま自身の寝室へと向かった。
「あ、あぁ...だがしかしっ.....クソっ...!!」
亜美と雅彦が菅原を置いて逃げることに躊躇していると、燃え盛る炎の向こう側から菅原の声が聞こえてくる。
「...亜美?いいかい?君は何があっても...ゲホッ...その子『達』を産むんだっ...ゴホッゴホッ...」
「その子...『達』って...?」
「ゲホッゲホッ.....き、君のお腹に居る赤ちゃんはっ...双子...なんだよ...?僕と同じ...双子のっ.....赤ちゃん...なん...だっ...」
「...そんなっ...!?」
腹の子の胎児についての情報を一切知らされていなかった亜美は、その事実に驚愕する。
「...だからっ、ここから逃げてっ...生きて、生き抜けっ...元気なその双子の赤ちゃんをっ...ゲホッゲホッゴホッ...産むんだっ...たとえ、将来その子供に...どれだけ恨まれようとっ.....どれだけ責められようとっ...ゲホッ...君は、その子達を護り抜くんだっ...!!だから行けっ!!!!早くっ!!」
「待って...!菅原さんっ...待って.....お願いっ!!死んじゃ嫌っ.....ダメっ...」
「...ありがとう。亜美。こんなことになるなら、もっと早くにお化粧してもらっとくんだったなぁ...」
雅彦達の場所からは、新堂や酒井の様子も分からない程に火の手は勢いを増していた。
「...ぐっ...菅原君.....すまないっ!」
雅彦はそう言うと、泣きじゃくる亜美を抱え、地下室から脱出する。
「いやああああ!!ダメえええええ!!菅原さんがっ...!菅原さあああああああん!!いやああああああああああ!!!!」
菅原の姿が炎に包まれて見えなくなるのを、亜美は必死で掴もうとその手を伸ばしていた。
既に火の手は地上まで到達する勢いだ。
古い木造の日本家屋であるが故、火の手が回るのが早い。
雅彦は亜美を煙から庇いながら、どうにか1階までたどり着く。
腕の中で、亜美はまだ菅原の名を叫び続けているが、今から戻ることはもう不可能だ。
しかし、そのまま雅彦は外へ逃げるのかと思えば、亜美を抱えたまま自身の寝室へと向かった。

