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第50章 セイドレイ

一部週刊誌やスポーツ新聞は度々この事件を取り上げていた。

しかしそれらの記事は、あたかも少女Aが『魔性の女』であったかのように、下世話な見出しに扇情的な部分だけを誇張、想像し書き立てられたものばかりで、ジャーナリズムとは程遠いものばかりだった。

メディアが沈黙を続ける一方、ネット上では未だ盛り上がりを見せている。

事件発覚後、『セイドレイ』はサイトを閉鎖。
元々違法性が高く犯罪の温床になりかねなかったこのサイトは、これまでにも何度か閉鎖の危機に追い込まれていたが、この事件をきっかけにその歴史に幕を閉じた。

しかし、少女Aの痴態を映したそれらの動画はいくつもの他サイトに転載され、それらしい検索ワードを入力すれば誰でも容易に見ることができるほか、専用のファンサイトまでもが制作され、一部マニア達からは事件と切り離された部分で熱烈な支持を集めていた。

更には、信憑性は定かではないものの、ネット上では「公園で少女Aとセックスした」、「少女Aによく似た妊婦に道で誘惑された」等、少女Aとの接触、目撃情報が多数報告されている。

一部情報では、この事件に関わった者の数は70人とも100人とも言われている。

メディアでは少女Aの実名や写真は一切報道されていないが、同じ光明学園生徒からの情報や写真が出回り、少女Aが誰であるかは今や公然の秘密となっていた。

逮捕後、容疑者である雅彦とその息子2人は全面的に容疑を認めており、被害者である少女Aの証言とも一致している。
その他、発覚後に事件への関与を認め自首した光明学園の体育教師、本山宏志(45)と、同学園用務員である田中純平(35)らの供述も手伝って、事件の全容は徐々に明らかとなりつつあるようだ。

しかし、主犯とされる新堂は一部容疑を認めているものの、少女Aへの性的暴行に関しては、依然容疑を否認している。

事件発覚から2ヶ月が経過し初公判が待たれる中、16歳の少女が体と心に負った深い傷が少しでも癒える日が訪れるよう、当サイトでは今後もこの事件について追いかけて行く所存である。