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セイドレイ【完結】
第50章 セイドレイ

「...お腹、今どのくらいなの?」
「あ、えーと...実は予定日は今日なんです。でもまだ全然そんな気配が無くて...もしかして出てきたく無いのかな?なんて思っちゃったりして...。もし明日になっても陣痛が起きなかったら、先生が促進剤を打つか帝王切開するかって言ってましたけど...」
「...そうなんだ。私は産んだことないから分かんないけど、きっとすごく不安だよね。赤ちゃんの性別はもう分かってるの?名前とかはもう考えてたりするのかな...?」
「はい...。実は赤ちゃん、双子なんです。性別はどっちも男の子って言われました。名前は...そうですね。そろそろ考えないといけないですね...」
「...なんか、すごいわ...。双子なんだ。率直に聞くけど、今どんな気持ち?答えたくなかったら答えたくない、って言ってくれていいからね?」
「...う~ん。今はとにかく、無事にこの子達を産んであげることだけを考えてるって感じで。...ごめんなさい。なんか全然答えになってないですよね...?」
「ううん、全然!そうだよね。お母さんになるんだもんね。それが今の亜美ちゃんの率直な気持ちなんだと思う。でも...出産したあとのことは具体的に決まってるの?色々大変だと思うんだけど...」
「あ...はい。一応今のところは、トメさんっいう...知り合いのおばあさんが居るんですけど、私がその人の養子になるってことで話が進んでいます。住む場所もトメさんの家にお世話になる感じに...あと、私の両親が亡くなった時の保険金をお父様が持っていてくれてたので、当面の生活費はそれで何とか...」
「ちょ、ちょっと待ってね?今言った『お父様』って言うのは...?」
「あっ、すいません。えーと...武田雅彦と言えば分かりますか...?」
楓はまたしても驚く。
武田雅彦と言えば、この事件の発端となった張本人だ。
両親を亡くし天涯孤独となった亜美の弱みに付け入り、欲望の赴くままに陵辱の限りを尽くしていたという、あの男だ。
どういう事情で『お父様』などと呼ばせていたのかは知らないが、事件から2ヶ月が経過した今でも雅彦のことをそう呼ぶことができるのは一体どういう心境なのだろう。
楓はますます、亜美という少女の不思議な魅力に取り憑かれていく。
「あ、えーと...実は予定日は今日なんです。でもまだ全然そんな気配が無くて...もしかして出てきたく無いのかな?なんて思っちゃったりして...。もし明日になっても陣痛が起きなかったら、先生が促進剤を打つか帝王切開するかって言ってましたけど...」
「...そうなんだ。私は産んだことないから分かんないけど、きっとすごく不安だよね。赤ちゃんの性別はもう分かってるの?名前とかはもう考えてたりするのかな...?」
「はい...。実は赤ちゃん、双子なんです。性別はどっちも男の子って言われました。名前は...そうですね。そろそろ考えないといけないですね...」
「...なんか、すごいわ...。双子なんだ。率直に聞くけど、今どんな気持ち?答えたくなかったら答えたくない、って言ってくれていいからね?」
「...う~ん。今はとにかく、無事にこの子達を産んであげることだけを考えてるって感じで。...ごめんなさい。なんか全然答えになってないですよね...?」
「ううん、全然!そうだよね。お母さんになるんだもんね。それが今の亜美ちゃんの率直な気持ちなんだと思う。でも...出産したあとのことは具体的に決まってるの?色々大変だと思うんだけど...」
「あ...はい。一応今のところは、トメさんっいう...知り合いのおばあさんが居るんですけど、私がその人の養子になるってことで話が進んでいます。住む場所もトメさんの家にお世話になる感じに...あと、私の両親が亡くなった時の保険金をお父様が持っていてくれてたので、当面の生活費はそれで何とか...」
「ちょ、ちょっと待ってね?今言った『お父様』って言うのは...?」
「あっ、すいません。えーと...武田雅彦と言えば分かりますか...?」
楓はまたしても驚く。
武田雅彦と言えば、この事件の発端となった張本人だ。
両親を亡くし天涯孤独となった亜美の弱みに付け入り、欲望の赴くままに陵辱の限りを尽くしていたという、あの男だ。
どういう事情で『お父様』などと呼ばせていたのかは知らないが、事件から2ヶ月が経過した今でも雅彦のことをそう呼ぶことができるのは一体どういう心境なのだろう。
楓はますます、亜美という少女の不思議な魅力に取り憑かれていく。

