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セイドレイ【完結】
第50章 セイドレイ

その夜の病室。
消灯時間を迎え、亜美は薄暗い病室の中、一人ベッドに佇む。
(楓さん...すごく良い人だったな。私のあんなワガママも聞いてくれて...)
地下室から解放され、亜美は平穏な毎日を送っていた。
最も、事件はまだ解決には至っておらず、これから長い調停が始まる。
弁護人からはあまり見てはいけないと言われているものの、この事件に関するネット上の記事や書き込みを見る限り、多くの人が『少女A』に関心を寄せていることも知っている。
しかし、この個室に居る限りは、そんな外部の喧騒とは無縁だ。
医師も看護師も、弁護人の庄司も、何だか申し訳なくなる程に皆親切で優しく、亜美の言動を否定する者は誰も居ない。
ここには、嫌なことを言う者も、突然襲って来る者も居ないのだ。
それなのにーー。
亜美は毎夜、ただ訳もなく溢れて来る涙で枕を濡らしていた。
(どうして...私...また...)
寄る辺無いこの身が疼くのを感じ、亜美は下半身に手を伸ばす。
この約2ヶ月、誰からも触れられることの無いこのカラダ。
雅彦に処女を奪われたあの夜から、肉棒を受け入れなかった日など一日たりとも無かった。
あの地下室での最後の夜を思い出す。
確かにあの時、亜美は自分が過去最高の快楽に見初められたことをはっきりと自覚している。
膣を貫く男が見せたケダモノの顔。
浴びせられる罵倒。
粘膜同士が擦れ合う音。
あの空間を支配していた熱気と、むせ返る男達の臭い。
今思い返すだけでも、ゾクゾクとカラダの芯が疼くのだ。
いくら頭で否定しようとも、自分に嘘はつけない。
菅原が命を懸けて救ってくれたこのカラダと、2つの新しい生命。
欲してやまなかったはずの、平穏な日常。
(なのに...私はっ...)
亜美は左手で自分の乳房を揉み、下へ伸ばした右手の指で性器をまさぐる。
自分の手では、何もかも感覚が違う。
この乳房も性器も、これまでは男の為に存在していたのだから。
「おとぉ...さまっ...アッ」
亜美はその名を口にすると、易々とオーガズムに達する。
唯一、雅彦とだけは最後の夜にカラダを重ねることができなかった。
それが強烈な余韻となって、2ヶ月経った今も亜美を支配する。
(お父様...どうして...私を一人にするの...?)
そう問いかけようとも、答えてくれる者などもう居ないのだ。
消灯時間を迎え、亜美は薄暗い病室の中、一人ベッドに佇む。
(楓さん...すごく良い人だったな。私のあんなワガママも聞いてくれて...)
地下室から解放され、亜美は平穏な毎日を送っていた。
最も、事件はまだ解決には至っておらず、これから長い調停が始まる。
弁護人からはあまり見てはいけないと言われているものの、この事件に関するネット上の記事や書き込みを見る限り、多くの人が『少女A』に関心を寄せていることも知っている。
しかし、この個室に居る限りは、そんな外部の喧騒とは無縁だ。
医師も看護師も、弁護人の庄司も、何だか申し訳なくなる程に皆親切で優しく、亜美の言動を否定する者は誰も居ない。
ここには、嫌なことを言う者も、突然襲って来る者も居ないのだ。
それなのにーー。
亜美は毎夜、ただ訳もなく溢れて来る涙で枕を濡らしていた。
(どうして...私...また...)
寄る辺無いこの身が疼くのを感じ、亜美は下半身に手を伸ばす。
この約2ヶ月、誰からも触れられることの無いこのカラダ。
雅彦に処女を奪われたあの夜から、肉棒を受け入れなかった日など一日たりとも無かった。
あの地下室での最後の夜を思い出す。
確かにあの時、亜美は自分が過去最高の快楽に見初められたことをはっきりと自覚している。
膣を貫く男が見せたケダモノの顔。
浴びせられる罵倒。
粘膜同士が擦れ合う音。
あの空間を支配していた熱気と、むせ返る男達の臭い。
今思い返すだけでも、ゾクゾクとカラダの芯が疼くのだ。
いくら頭で否定しようとも、自分に嘘はつけない。
菅原が命を懸けて救ってくれたこのカラダと、2つの新しい生命。
欲してやまなかったはずの、平穏な日常。
(なのに...私はっ...)
亜美は左手で自分の乳房を揉み、下へ伸ばした右手の指で性器をまさぐる。
自分の手では、何もかも感覚が違う。
この乳房も性器も、これまでは男の為に存在していたのだから。
「おとぉ...さまっ...アッ」
亜美はその名を口にすると、易々とオーガズムに達する。
唯一、雅彦とだけは最後の夜にカラダを重ねることができなかった。
それが強烈な余韻となって、2ヶ月経った今も亜美を支配する。
(お父様...どうして...私を一人にするの...?)
そう問いかけようとも、答えてくれる者などもう居ないのだ。

