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セイドレイ【完結】
第51章 顔

不意打ちを喰らったとは言え、今更ながらノープランでここへやって来てしまった自分が楓は情けなかった。
いきなりここで写真を撮らせてくれ、と言ってもおかしな話だ。
「(亜美ちゃん...ごめん。でも、この責任は私が取るから...!)」
楓は深呼吸をする。
「...すいません。道に迷っていたって言うのは嘘です。実は今日、私はあなたに用があってここへ来ました。一之瀬啓太郎さん、あなたに会いに来たんです」
「...え?ぼ、僕にっ!?確かに僕は一之瀬啓太郎ですけど...え、弱ったなぁ...」
「...弱った?何にですか...?突然押しかけてしまったことは本当に申し訳ありませんが...」
「い、いやぁ...その。ごめんなさい!先に謝っておきます...。多分、酔った勢いですよね?一応気をつけてはいるんですが...なかなか悪癖が抜けなくて...多分、お姉さんがすごく美人だったから...つい。あの、本当にごめんなさい!」
啓太郎はそう言うと、楓に深々と頭を下げた。
「...は?いやいやいやいや、は?」
言っている意味が全く分からない楓は、ポカンと口を開ける。
「...あれ?違うんですか...?いや...てっきり僕はその...酔った勢いでお姉さんと一夜の過ちを犯してしまったのではないかと...」
「...あの、失礼ですけど...そういうことはよくあるんでしょうか...?」
楓が呆れた口調でそう問い返す。
「...お恥ずかしい。年甲斐も無く...情けないですよね。最近は気をつけているんですが...」
髪を掻きながらそうはにかむ啓太郎の姿に、楓は心の中で溜め息をつく。
「(...確かに、こんな色男を女が放っておくわけが無いわよね。この悪気の無さも含めて、一体何人の女を泣かせて来たのかしら...)」
古臭い形容をするならば、この男はプレイボーイなのだろうと楓は思った。
しかし、当の本人はそのことに関して恐らく無自覚なのだろう。
どこか憎めない人柄がそれを裏付けている。
「(これがあの亜美ちゃんの父親なのね...まぁ何というか、納得というか、かなり腑に落ちるというか...何とも言えない気分だわ...)」
楓は、単純にこの一之瀬啓太郎という男に興味を示した。
いきなりここで写真を撮らせてくれ、と言ってもおかしな話だ。
「(亜美ちゃん...ごめん。でも、この責任は私が取るから...!)」
楓は深呼吸をする。
「...すいません。道に迷っていたって言うのは嘘です。実は今日、私はあなたに用があってここへ来ました。一之瀬啓太郎さん、あなたに会いに来たんです」
「...え?ぼ、僕にっ!?確かに僕は一之瀬啓太郎ですけど...え、弱ったなぁ...」
「...弱った?何にですか...?突然押しかけてしまったことは本当に申し訳ありませんが...」
「い、いやぁ...その。ごめんなさい!先に謝っておきます...。多分、酔った勢いですよね?一応気をつけてはいるんですが...なかなか悪癖が抜けなくて...多分、お姉さんがすごく美人だったから...つい。あの、本当にごめんなさい!」
啓太郎はそう言うと、楓に深々と頭を下げた。
「...は?いやいやいやいや、は?」
言っている意味が全く分からない楓は、ポカンと口を開ける。
「...あれ?違うんですか...?いや...てっきり僕はその...酔った勢いでお姉さんと一夜の過ちを犯してしまったのではないかと...」
「...あの、失礼ですけど...そういうことはよくあるんでしょうか...?」
楓が呆れた口調でそう問い返す。
「...お恥ずかしい。年甲斐も無く...情けないですよね。最近は気をつけているんですが...」
髪を掻きながらそうはにかむ啓太郎の姿に、楓は心の中で溜め息をつく。
「(...確かに、こんな色男を女が放っておくわけが無いわよね。この悪気の無さも含めて、一体何人の女を泣かせて来たのかしら...)」
古臭い形容をするならば、この男はプレイボーイなのだろうと楓は思った。
しかし、当の本人はそのことに関して恐らく無自覚なのだろう。
どこか憎めない人柄がそれを裏付けている。
「(これがあの亜美ちゃんの父親なのね...まぁ何というか、納得というか、かなり腑に落ちるというか...何とも言えない気分だわ...)」
楓は、単純にこの一之瀬啓太郎という男に興味を示した。

