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セイドレイ【完結】
第52章 親展
それは通り魔のように何の前触れも無く、突如として亜美を襲う。

『疼き』と『渇き』。

言葉にするとしたら、きっとそうなるだろう。

亜美は頻繁に夢を見ていた。
つい昨夜も見てしまったその夢。

それは、自身が肉塊となり、穴という穴で精を受け止めていたあの頃の夢だ。

薄暗い地下室。
せせら笑うケダモノ達に囲まれた、淫獄の宴。

怒張した何十本ものペニスを、この口で、膣で、肛門で絶頂に導いていた頃の記憶。

浴びせられる罵声は偽薬(プラシーボ)となり、
むせかえる雄臭は麻薬(ドラッグ)となって、
亜美を終わりなき快楽の扉へと、いざなう。

目覚めるといつも、洪水のように濡れそぼった膣がそこにある。
その横では、穢れを知らない朝日と陽気の小さな寝息。
愛液でシーツをびっしょりと濡らした亜美は、息子達のおねしょを咎める資格は自分には無いのだと思い知る。

火照るカラダを鎮める為、亜美は夜中に一人トイレに籠る。
そこでスマホを取り出し眺めるのは、ネット上に今も点在する、『高崎亜美』の痴態を収めた動画の数々。

亜美は、動画の中で男に跨り腰を振るその高崎亜美を、羨望の眼差しで見つめる。
そして右手を股間へと伸ばすと、声を上げて自慰に耽るのだ。

自身が『悲劇のヒロイン』であることを否定するように。

本当の悲劇は、今ここにあるのだと。

誰からも触れられず、暇を出されたこの身こそが、何よりの悲劇なのだとーー。

亜美はもう、そんな自分を受け入れていた。
昔のように、罪悪感に苛まれることは無い。
たとえ、世界中の誰からも共感されなくとも、これが本当の自分なのだと。

母としての顔と、女としての顔。
どちらも真実であり、そこに嘘偽りは無い。

だからこそ思うのだ。
こんな自分が、誰かを愛し、幸せな家庭など築けるものかと。


実は明日、研究会を終えた後、会場近くのカフェで久々に楓に会うことになっている。
短い時間ではあるが、お互いの近況報告も兼ねて、いよいよ大詰めを迎えた『原稿』を受け取るためだ。

楓はその後も、亜美への取材をずっと続けている。
それはもはや、作家と取材協力者という関係を超えて、亜美をいつも見守っていてくれる姉のような存在だ。

亜美は思い切って、楓に相談してみようかと考えていた。

今もこのカラダを支配する、この『疼き』と『渇き』の正体についてをーー。
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