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セイドレイ【完結】
第52章 親展
亜美とサラリーマンの男が下車した駅。
元々そこまで乗降客が多くないこの駅は、土曜日ということもあって人はまばらだった。

改札から離れ、他の路線への連絡通路の中腹にトイレがある。

決して清潔に保たれているとは言えないこの男子トイレには、4つの個室が並んでいた。

一番奥の個室のみ、扉が閉まっている。

狭いその個室の中には、先程のサラリーマンと亜美が、貪るようなディープキスに興じていた。
体格差のある男の首に腕を回し、亜美はその男と唾液の交換に夢中になる。



亜美は下車した際、気がつくとこの男の後を追っていた。
そして声を掛け、そっと耳元で囁いたのである。

突然のことに動揺する男。
だが耳元で囁かれる淫靡な誘惑に、躊躇したのは一瞬のことであった。


『君は本当に...自惚れちゃんなんだから...』


菅原のそんな言葉が聞こえてきそうだ。
亜美はまるで、4年振りにあのゲームの続きをしているような気分だった。

それが『高崎亜美』なのか、それとも『市川亜美』なのかは分からない。

しかし、またしても彼女に誘惑された男は、それを断ることはしなかった。


キスを終えると、亜美は男のベルトのバックルを片手で外し、ワイシャツのボタンを上から順に外して行く。

その下から、如何にも中年親父が着ていそうな、汗の染みた白い肌着が顔を出す。
ダルダルにくたびれた首周りから、ちょろちょろと飛び出す胸毛に、亜美はウットリとした表情を浮かべる。

一方、男の方もそれに応戦し、亜美のワンピースのボタンを外して行く。
太い指のせいか、はたまた興奮のせいなのか。
手こずりながらボタンを外し終えると、鮮やかな水色のレースがあしらわれたブラジャーが姿を現す。
深く刻まれた谷間に今すぐ顔を埋めたくなるが、ブラにかろうじて収まっている乳房は、少しばかり窮屈そうに見えた。

男は腕を亜美の背後に回すと、ブラのホックを外す。
すると途端に溢れ出す、巨大な2つの乳房。
こんなにも大きいのに、それは重力を無視しているのか垂れることなく、綺麗な形を保ったまま亜美の上半身に留まっている。

男は何を思ったか、焦るようにしてワイシャツと肌着を脱ぐと、衣服をドア上部のフックに掛け、上半身裸になった。

そして、亜美のワンピースの裾を持つと、上へと捲り上げて脱がせたのだった。
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