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セイドレイ【完結】
第52章 親展
ゼロの距離に、亜美の美しいカラダが現れる。
ブラと揃いのショーツはクロッチ部が濡れており、水色が藍色へと変化していた。
布の上からでもハッキリと分かる、盛り上がった恥丘を左右に分断する、ワレメの筋。

男は、この個室の暑さと興奮により更に汗を噴き出しながら、亜美の秘部を隠しているその小さな布切れを、下へとずり下げた。

透明な液体が糸を引く。
雄の野性味溢れる臭いとは対象的な、甘く淫靡なメスの匂いが個室に充満する。

この空間を支配しているのは、間違いなく女の方であった。

わざわざ手入れをしているのか、無毛の女陰が顕になる。
既に、2人の赤子がここを通過したことを、この男は知らない。

それは肉棒を挿入するためだけに開いている穴のように思えた。

全裸になった亜美は、足元にある和式便器を跨いで腰をしゃがめると、男のスラックスとトランクスを下までずり下げる。

男は慌てて靴を脱ぎ、片方ずつ足を上げてズボンから足を抜くと、全裸に靴下だけを身につけた状態になる。

胸毛、腹毛、陰毛、太ももの毛。
それら全ての体毛が、股間を中心に波紋を描くようにして繋がっている。

同じ人間である、という以外は何もかも違う2人が、今同じ個室の中で生まれたままの姿になった。

亜美は、その男が股にぶら下げている肉茎を恍惚の表情で見つめる。

今にも爆ぜてしまいそうに赤黒く膨張したそれは太く大きく、しかし亀頭は過保護な包皮に守られていた。

被った皮の口から、亀頭が少しだけ顔を覗かせる。
カウパー液で濡れに濡れたその肉棒の先端に、亜美はキスをするようにして口先を接触させると、頬をすぼめてチュウチュウとそれを吸い出す。

「...おっ...ふぉぉ.....」

男はたまらず、情けない声を漏らして天を仰ぐ。

(この人も...味が濃い...)

男の味聞きを済ませた亜美は、小さな口でそっと亀頭を口に含むと、口内で優しく包皮を剥いて行く。

4年前まで、高崎亜美が嫌という程味わったこの味。
しかしそんな高崎亜美も、今目の前に居るこの男の味を知らない。

知っているのはーー、


(...市川亜美、私だけ)


亜美は肉棒を優しく扱きつつ、ぶら下がる玉袋に鼻を寄せて、そのすえた臭いが鼻いっぱいに広がる多幸感に包まれながら、睾丸を愛でるかのように舌を這わせる。
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