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セイドレイ【完結】
第52章 親展
4年もの間、ずっとこれを求めていたのかもしれないと、亜美は内なる声に正直になる。

今ここに居る自分は、もう被害者では無い。
あの『悲劇のヒロイン 高崎亜美』では無いのだ。

捜査官も検察官も弁護士も、そして世間も。
ここからはもう自分を守ってはくれない。

誰に強要される訳でも無く、脅される訳でも無く、自らの意思でこの中年男を誘惑し、その玉袋に舌を這わせている。

世間ではこれを痴女というのだろうか。
もっとシンプルに、変態と言ってもいいのかもしれない。
要するに、頭がおかしいのかもしれない。

奪われ、搾取されるだけが、女の性では無い。
確かにきっかけは、そうだったのかもしれない。
あんなことさえ無ければ、絶対に今こんなことはしていない。
それだけは胸を張って言える。

しかし、加害者らに判決が出ようが、刑期を終えようが、これは亜美の人生に起こったことだ。
他の誰でもない、自分自身が背負う人生なのだ。
強姦によって出来た命を産み落としたのも、全て自分で決めたことだ。

なら、『その後』をどう生きて行くのか。
こんな私のような生き方は許されないのだろうかと、亜美は楓に問いたかったのかもしれないーー。


4年振りに咥えた肉棒を、亜美は極上の舌技でもてなす。

「...おぉ...おっ!おぉぉぉぉ.....」

その発射が近いことを口の中で感知した亜美は、動きを止めて口から肉棒を離す。

「あっ.......あ...れ...?」

あと少しのところで寸止めされた男は、行き場を失った射精感と迷子になっているようだ。

そんな男に向けて、亜美は立ち上がると壁に手を付き、大きく白い尻を突き出した。

そして、愛液が糸引く膣口を指で広げて見せたのだ。

「う...そ.....いいの...?」

男が小声で確認してくるのを、亜美は尻を向けたまま無言で頷く。

たまたま同じ車両に乗った男女。
行きずりでトイレに駆け込んだ2人が、避妊具など持ち合わせているわけが無かった。

男も前方の壁に片手を付き、体勢を整える。

今にも暴発してしまいそうな愚息。
次の打ち合わせの時間はもうとっくに過ぎている。
さっきから、鞄の中のスマホのバイブが鳴り続けている。

しかし、少しでも長く、この状況を愉しみたい。

男は剥いた皮を再び亀頭に被せると、濡れそぼるその膣口へゆっくりと挿入した。
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