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セイドレイ【完結】
第52章 親展

研究会が終わり会場を後にした亜美は、その足で楓との待ち合わせ場所であるカフェへ急ぐ。
「...あ~!こっちこっち~!」
亜美がカフェへ入ると、奥の席で楓が手を振っている。
「すいません...!お待たせしちゃって.....あ、えっと...じゃあ...アイスティーでお願いします」
亜美はそそくさと飲み物をオーダーし、席に着く。
「相変わらず美人に磨きがかかってるわねぇ。もしかして男でもできたかしら...?」
楓はそう言って、少し意地悪そうな顔をする。
「なっ...!おっ、男なんてっ...そういう楓さんこそ、今日なんか雰囲気違いません...?気のせいかな...?」
「あ...うん。今日ね、この顔メイクさんにやってもらったの。やっぱプロは違うわねぇ。実は、ちょー久々にテレビの仕事があってさぁ...」
「そうなんだ...!いつ放送ですか?ていうかどんな番組ですか?」
「.....アウトデ〇ックスって...知ってるかしら?」
「あ...。ええ、まぁ...あのー、色々アウトな人達が出てくるやつですよね...?」
「...顔がナチュラル美人だと返しもナチュラルなのね...それ、全然フォローになってないから!まぁ可愛いから許しちゃうけど!」
「ご、ごめんなさいっ...!全然っ、そんなつもりじゃ...」
「...ふふっ。ついつい、いじめたくなっちゃう可愛さだわ...」
そんな他愛もない会話に垣間見る、亜美の表情。
初めて会った頃と比べて随分と変わったものだと、楓は感慨深くなる。
この4年、楓はずっと亜美を追ってきた。
良い時も悪い時も、そばでずっとその姿を見てきた。
当初から、あんな事件の被害者であるようには見えなかったが、それでもあの頃と今では『何か』が違う。
恐らく、子を産み母となったことがそうさせているのだろうと楓は思っていた。
「...息子君達は元気?」
「あっ...はい。もうやんちゃ盛りで...あ、これこれ...昨日、父が動物園に連れてってくれた写真なんですけど...」
亜美はスマホの中の写真を楓に見せる。
途端に母親の顔になる。
「(ああしてできてしまった子でも...こんな風に愛せるものなのね。やっぱり亜美ちゃん...すごいわ...これは強さなのかしら...)」
「...あ~!こっちこっち~!」
亜美がカフェへ入ると、奥の席で楓が手を振っている。
「すいません...!お待たせしちゃって.....あ、えっと...じゃあ...アイスティーでお願いします」
亜美はそそくさと飲み物をオーダーし、席に着く。
「相変わらず美人に磨きがかかってるわねぇ。もしかして男でもできたかしら...?」
楓はそう言って、少し意地悪そうな顔をする。
「なっ...!おっ、男なんてっ...そういう楓さんこそ、今日なんか雰囲気違いません...?気のせいかな...?」
「あ...うん。今日ね、この顔メイクさんにやってもらったの。やっぱプロは違うわねぇ。実は、ちょー久々にテレビの仕事があってさぁ...」
「そうなんだ...!いつ放送ですか?ていうかどんな番組ですか?」
「.....アウトデ〇ックスって...知ってるかしら?」
「あ...。ええ、まぁ...あのー、色々アウトな人達が出てくるやつですよね...?」
「...顔がナチュラル美人だと返しもナチュラルなのね...それ、全然フォローになってないから!まぁ可愛いから許しちゃうけど!」
「ご、ごめんなさいっ...!全然っ、そんなつもりじゃ...」
「...ふふっ。ついつい、いじめたくなっちゃう可愛さだわ...」
そんな他愛もない会話に垣間見る、亜美の表情。
初めて会った頃と比べて随分と変わったものだと、楓は感慨深くなる。
この4年、楓はずっと亜美を追ってきた。
良い時も悪い時も、そばでずっとその姿を見てきた。
当初から、あんな事件の被害者であるようには見えなかったが、それでもあの頃と今では『何か』が違う。
恐らく、子を産み母となったことがそうさせているのだろうと楓は思っていた。
「...息子君達は元気?」
「あっ...はい。もうやんちゃ盛りで...あ、これこれ...昨日、父が動物園に連れてってくれた写真なんですけど...」
亜美はスマホの中の写真を楓に見せる。
途端に母親の顔になる。
「(ああしてできてしまった子でも...こんな風に愛せるものなのね。やっぱり亜美ちゃん...すごいわ...これは強さなのかしら...)」

